陰翳礼讃

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あなたもできる!朝活読書。

vol.219  2011年4月21日配信

『陰翳礼讃』


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▼《1》今日の一言

▼《2》今日の一冊

▼《3》編集後記

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▼〈1〉今日の一言 #219
 
 「あなたにとって光とは?」

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▼〈2〉今日の一冊

『陰翳礼讃』

谷崎潤一郎 著

中公文庫


http://t.co/7yxP6UH

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著者 谷崎潤一郎さん(1886~1965)は
『痴人の愛』『春琴抄』『細雪』など
数々の名作を執筆した日本を代表する
文豪です。

生活の中の様々な「かげ」という物に
スポットを当てた一冊です。

建築の中の照明や、紙の色つや、
また能や歌舞伎などについて影という物の
公用が考察されています。

太陽光と同じ効用を照明に求めている
現代人に新たな視点を与えてくれる
と思います。

●この本を一言でいうと

「あかり」です。

●おすすめのポイント

現在、節電で駅や街などの
照明が暗めですが、この暗さとは
何なのかを考えるきっかけ
になると思います。

陰とは「シャドー」ではないという事を
前提にしないとただ
「薄暗いのは風流」といった
解釈になると思います。

積極的な照明の調整と言っても
良いかもしれません。

●生活への活かし方

建築や芸術における陰翳という箇所は
この本の中ではスポットが
当たった明るい部分です。

「陰翳礼讃」この本の陰の部分に
意識を向けてみてはいかがでしょうか。

ほとんど話題にされませんが、
この本では最後の「厠のいろいろ」
という章以外にも

「厠」「便所」が良く出てきます。

実は「厠」「便所」トイレの質感や
居心地に目を向けてみると陰翳礼讃の
感性を発達させることが出来るのでは
ないでしょうか。

ぜひ読んでください。

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▼〈2〉編集後記

今日もありがとうございます。
森澤勇司です。

「陰って何色?」と聞かれると
「灰色」とか「黒」と答えてしまい
そうではないでしょうか。

「黒い影」「陰が有る」

真っ黒でなくても桃色のイメージは無いですよね。

「近代の都会人は本当の夜と云うものを知らない。」

と谷崎潤一郎さんは語っています。

最近では宇多田ヒカルさんの「前は明るすぎた」と
いう発言をきっかけにこの「陰翳礼讃」
を読んだ方も多いもではないでしょうか。

蛍光灯や照明器具を造るメーカーは
「太陽のような明るさ」や「昼間とおなじ」
という所をめざしてきたのです。

この「陰翳礼讃」を読んでまず
頭に浮かんだのはこんな事でした。

「シチューは薄めても味噌汁にはならない」

ブログにつかう文字の色を選んでいても
#000000は強い色なので使いにくい
場合がよくあります。

#f8f8f8や#c6c6c6など「真っ黒」でない色を
選んだり読みやすい色も考えてみるのですが、
どんなに頑張ってもモニターの
光の色でしかありません

それなのに空を見ていると
この色は「#??????幾つかな」
と考えている事が有ります。

今日の窓越しから見た空は
「#F8FFF0」という感じでしょうか。

モニターで見ると暗い色ではありません。
でも空は暗く感じます。

不思議ですね。

こんなことを続けていると自分が
明るいと思っているのは「何色」なのか
知るための参考になります。

「あなたにとって光とは?」

感想いただけると嬉しいです
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森澤勇司(もりさわゆうじ) 能楽師小鼓方 1967年東京都生まれ。 テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。 2000番以上の舞台に出演している。 43歳で脳梗塞で入院、 退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。 復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。 著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』 明治天皇生誕150年奉納能、 映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に 能楽師として出演。 2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される

曲目目次

あ行 か行 さ行 た行 な/は行 ま/や/ら行
(あ)
藍染川

葵上
阿漕
芦刈
安宅
安達原
敦盛
海士
海人
嵐山
蟻通
淡路

(い)
碇潜

生田敦盛
一角仙人
井筒
岩舟

(う)
鵜飼

浮舟
雨月
右近
歌占
善知鳥
采女

梅枝
雲林院
(え)
江口

江野島

烏帽子折
絵馬
(お)
老松

大江山
鸚鵡小町
大社

小塩
姨捨
大原御幸
小原御幸
女郎花
大蛇
(か)
杜若

景清
花月
柏崎
春日龍神
合浦
葛城
鉄輪
兼平
賀茂
通小町
邯鄲
咸陽宮
(き)
菊慈童

木曾

清経
金札
(く)
草薙
国栖

楠露
九世戸
熊坂
鞍馬天狗
車僧
呉服
黒塚

(け)
現在七面

源氏供養
玄象
絃上
月宮殿

(こ)
恋重荷

項羽
皇帝
高野物狂
小鍛治
小督
小袖曽我
胡蝶

(さ)
西行桜
逆矛

桜川
実盛
三笑

(し)
志賀
七騎落
自然居士
石橋
舎利
俊寛
春栄
俊成忠度
鍾馗
昭君
猩々
正尊
白鬚
代主

(す)
須磨源氏
隅田川
住吉詣

(せ)
西王母
誓願寺
善界
是界
是我意
関寺小町
殺生石
接待
蝉丸
禅師曽我
千手

(そ)
草子洗小町
草紙洗
卒都婆小町
(た)
大会
大典
大般若
大仏供養
大瓶猩々
第六天
當麻
高砂
竹雪
忠信
忠度
龍田
谷行
玉鬘
玉葛
玉井
田村

(ち)
竹生島
張良

(つ)
土蜘蛛
土車
経正
経政
鶴亀
(て)
定家
天鼓

(と)
東岸居士
道成寺
唐船
東方朔
東北
道明寺

木賊
知章

朝長
鳥追船
鳥追
(な)
仲光
難波
奈良詣
(に)
錦木
錦戸
(ぬ)

(ね)
寝覚
(の)
野宮
野守

(は)
白楽天
羽衣
半蔀
橋弁慶
芭蕉
鉢木
花筐
班女

(ひ)
飛雲
檜垣
雲雀山
氷室
百万

(ふ)
富士太鼓
二人静

藤戸
船橋
船弁慶
(ほ)
放下僧
放生川
仏原
(ま)
巻絹
枕慈童
枕慈童(カ
松風
松虫
松山鏡
満仲
(み)
三井寺

通盛
水無月祓
身延
三輪
(む)
六浦
室君
(め)
和布刈
(も)
望月
求塚
紅葉狩
盛久
(や)
屋島
八島
山姥
(ゆ)
夕顔
遊行柳
弓八幡
熊野
湯谷
(よ)
夜討曽我
楊貴妃
養老
吉野静
吉野天人
頼政
弱法師

(ら)

羅生門
(り)
龍虎
輪蔵
(ろ)
籠太鼓