記憶のアイディア Mnemonics

ごきげんよう!
能楽師 森澤勇司です。

貴方は記憶力が良いですか??

能楽は一回公演がほとんどなので
同じ曲を何度も連続で務めることがありません。

ですから
せっかく大量に覚えても使うのは一回

次に同じ曲を勤めるのは
十数年立ってからというのは普通にあることです。

すでに覚えているものはともかく
久しぶりに勤める曲
初めて勤める曲は

早く正確に台本を覚えてしまいたい。

常にそう思っています。

初めて30年経ってすでに覚えてい曲も増えてきましたが、、、、
これからの人生後半、やはり裏付けをしっかり持って
覚えて稽古をして舞台の質を高めたいということは
常に頭に浮かんできます。

そこで今回は
久しぶりに大量に英語を読みました。

テンプル大学に行っていたとき以来ですね。

テンプル大学創始者の話も掲載されていることもあり
オグ・マンディーノ「成功大学」という本を読んでいました。

その中には記憶力を高めるということにも触れていました。

その「成功大学」の中で紹介されていたのが
このケニス・ビグビー著YOUR Memoryです。

普段だったら日本語で訳された本を探すのですが、、、

Mnemonicsという聞きなれない単語が
妙に気になるので原書を読むことにしました。

日本でも「記憶術」の本がたくさん出ているので
どんな記憶法が解説されているのか期待していたのですが、、、

記憶法ではなく「記憶のための工夫」が説かれていました。

一例をご紹介します。

名前と顔の覚え方

1,名前を取得する
2,名前の意味をしる
3,見分けのつく外見の特徴に焦点を当てる
4,見分けのつく特徴に名前を関連付ける
5,関連性を確認する

これだけでも9ページに渡って解説してあります。

今まで○○記憶法に頼るところもありましたが、、、
常に創意工夫をして、その場で関連付けを生み出すことが
結局は脳をいい状態にして
舞台の質を高めるものだという感想を持ちました。

頭は使うためにある

そして本日の教訓は

現場の答えは現場にある

記憶術の体得は役に立ちます。

しかしながら
現場にかける時間を削ってしまっては本末転倒です。

F1で言えば
ピットインは大切ですが、、、、

ピットインの時間を際限なく延長したら
優勝できるものではありません。

必要最低限のピットインをしたら
現場で検証。

記憶のアイディアをもらったら
すぐに台本で試して検証してみる。

常に目的を念頭に置いた
外部学習を心がけたいものです。

最後に、何故か気になり
30年ぶりぐらいに英語の書籍を
読もうとまで思わせた一冊のエネルギーはすごいですね。

 

技法の外部学習をしたら
すぐに舞台に役に立てることが大切だと
再確認できた一冊です。

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この記事を書いた人

森澤勇司(もりさわゆうじ)
能楽師小鼓方 1967年東京都生まれ。 テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。 1500番以上の舞台に出演している。 43歳で脳梗塞で入院、 退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。 復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。 著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』 明治天皇生誕150年奉納能、 映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に 能楽師として出演。 2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される