言葉の定義をする

森澤勇司です。

稽古場でも「上手になりたい」「どうやったらうまくなるのか」という声を耳にします。
私自身も際限なく上達したいと思っていますが、、

そもそも上達とはどんな状態でしょうか。

心地よい音がなる

心地よい掛け声がかけられるなど

部分的なことはいくらでも出てきますが、

その時時の調子や天気で

良い音が鳴るときもあれば、鳴らしにくい時もあります。

人によっても、目指すところは違うのかもしれません。

そこで、、

私自身は、形のない言葉は自分なりの定義付けをしています。

定義付けをしておくと、良い考え方に触れたときも
言葉の定義を入れ替えやすいと感じています。

私自身の「上達」とは「質の高い課題がある状態」と定義しています。

辞書とはもちろん違いますが、
言葉というのは自分なりに意味を決めておくと
目指すところがはっきりして指標が明確になります。

具体的に言えば
「小鼓の持ち方を覚える」という課題よりも
「小鼓の音を打ち分ける」という課題は
持ち方がわからなければ持てない課題なので
質が高い課題と決めています。

人によっては構えが全てだということも言われるますが
精神論は計測できないので具体的に修正することが困難です。

1年前に持っていた課題が当然できていないと
次の課題には取り組めないわけなので
課題の質をどんどん高めていくことに取り組めば
思い悩むことも、課題の質が高まったという
喜びの要素も感じられるようになってきます。

スケートでも「いかに4回転を成功させるか」は
金メダリストレベルの質の高い課題であって

スケートを40年以上していない私にとっては
靴を履いて真っ直ぐ立つことができるのかという
できる人からすれば課題の質は高くありません。

これは私はスケートをしないので問題ないのですが
本気でオリンピックに出ようという人には大問題です。

自分の目指すこと一生かけて取り組むことに関しては
最大限の時間確保をして、その時間をすべて投入し
課題の質を高めていくことに取り組んでいきたいものです。

その最大の土台になる、「時間の確保」
自分で思いついた方法や本で読んだこと
実際に試してみて効率よく時間が作れたことなど
つらつらと記録しておこうと思います。

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この記事を書いた人

森澤勇司(もりさわゆうじ)
能楽師小鼓方 1967年東京都生まれ。 テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。 1500番以上の舞台に出演している。 43歳で脳梗塞で入院、 退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。 復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。 著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』 明治天皇生誕150年奉納能、 映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に 能楽師として出演。 2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される