「七夕」と「お盆」
「七夕」と「お盆」の関係
日本にお盆の風習ができたのは推古天皇14年(606年)と『日本書紀』に記載されています。
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『日本書紀』
是年より初めて寺ごとに四月八日、七月十五日に設斎(もがみ)す。
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この四月八日は約5mある仏像を作ったのに寺のお堂に入れられない事件のあった年です。
↓事件の内容はこちら
この法要の日付も明治の改暦前は旧四月八日、旧七月十五日です。
この二つの法要にかぎらず日本の神事、行事は一定の決まりで変更されませんでした。それぞれバラバラな法則で新暦に反映されています。
▶︎灌仏会
旧四月八日→新暦の4月8日
日付の数字をそのまま採用
▶︎盂蘭盆会(お盆)
旧七月十五日(七夕の後の満月)→8月15日(7月15日も)
日付も月も関係ない日が主流になっています。
七夕との関連もない行事になりました。
もともとの季節感からすると本年は下記の日付です。
七夕(旧七月七日)→8月29日
お盆(旧七月十五日)→9月6日
明治からの新しい風習が日本古来のものという言い方で発信されていることがあります。またそれを聞いて信じている人もいます。
ただし、歴史として学ぶときは元々の日付や天体との関連は重要です。現在はお寺ごとの指示に従うのがよいものです。時代は変わっています。
明治以前のご先祖は満月を頼りに子孫を訪ねると思ったらその日に思いを馳せてみるのもいいかもしれません。
幼少の時、こうした事を祖母に話すと「はい」というまで殴られたものでしたが、、、
今となっては違うものは違うということも大切だと思っています。
特に着物警察、日本古来、伝統などというキーワードの多くは大正時代にできた新しいものであることが多いです。
昔からあるようで新しいものは意外に多いものです。
柔道→明治時代
九星気学→明治時代
剣道→大正時代
私自身は旧暦信者というわけではありません。出来事と暦があってないのは歴史を学ぶ上でよいとは思いません。都合よく解釈して美談化してしまう傾向は文化破壊でないかと思うことしばしばです。
あたかもアメリカザリガニが日本古来といってまわっているような感じです。
※画像はAIで生成しました。
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