義経一行の運命【安宅】
能楽師 森澤勇司です。
「能楽をより楽しむにはどうしたらよいか」
よくそんな質問をされます。
能楽をお酒に例えるなら、「つまみ」は予備知識です。
証拠のいる学術論文では書くことができない
能楽を楽しむための予備知識をご紹介していきます。
学術的な検証ではないですから真偽を議論したい方には向いてません。
さて、現在でも人気曲のひとつ「安宅」(あたか)
知らないと読めない題名です。
歌舞伎の勧進帳の原曲になっています。
1時間40分位の曲です。
この曲の最後のところ
義経一行が陸奥国へ逃げていく場面で
「虎の尾を踏み」
これは易学の「天澤履」の文章から取られているようです。
易者の看板にはよくこの天澤履が使われていたそうです。
現在は駅の近くによく易の占い師さんいますね。
虎の尾を踏む危険な状態でも命は取られない
この一行で安宅一曲を表しているようです。
易の原文を読みたい方はこちらのリンクに全文掲載してあります。
読みにくいところは画像を参照してください。
感想いただけると嬉しいです
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森澤勇司(もりさわゆうじ)
能楽師小鼓方
1967年東京都生まれ。
テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。
2000番以上の舞台に出演している。
43歳で脳梗塞で入院、
退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。
復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。
著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』
明治天皇生誕150年奉納能、
映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に
能楽師として出演。
2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される
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