「伝承」と「受け売り」
「伝承」と「受け売り」
日本の文化のお話や伝承はけっこうな作り話が多いものです。どこが出典かわからない事がお約束のように広まってます。
昨今だとトインビー やら弥栄やら出典不明の微妙な同調圧力がかかる集まりも増えています。こうなると〇〇先生中心の信仰宗教です。
原典を調べるのは時間がかかります。だからと言って出典不明なものを広めるのは噂話や都市伝説。
自分で出典を確認して発信しなければ文化の伝承にはなりません。発信するひとが孫引き。『古事記』を学ぶ会に複数参加した事があります。参加メンバーのほとんどが『古事記』の原文は持ってない。読もうとも思っていない。先生の本を教科書に話を聞いている。酷いところになると講師自身も原典を読んでないのが普通です。掛け算3の段だけ覚えて物理を教えているような感じ。どんな解釈をしても発信者の自由ですが、せめて有料でするなら原典の内容くらいは知っていた方がいいですね。
『源氏物語』100万字
『古事記』4万5千字
『日本書紀』32万字
(読み下しで約3倍くらい)
『聖書』280万字
どれかはじめに取り掛かるなら『日本書紀』
日本の公式記録です。間違っているとか、改ざんされているとか色々いう人がいます。批判するにしても一回も見た事がなく悪口を言っているのでは噂話にしかなりません。
最近は『古事記』が流行っているので中身関係なく『古事記』を知りたいという人も増えています。
『古事記』の多くは『日本書紀』にも記載されています。『古事記』にしか記載のないところはかなり少なめです。
三大神勅や憲法十七条の「和をもって、、」も出典は『日本書紀』
そもそも『古事記』に厩戸王(聖徳太子)は1行しか出てきません。
もう朝活は13年、原典の音読は10年くらい形を変えて続いてます。
⭕️1番の知りたい好奇心は子どもの時の疑問解消です。
幼少の時から浦島太郎や山幸彦海幸彦は図書館や絵本で読んでいました。
ところがその原典について疑問に答えてくれる大人は1人もいませんでした。
能楽界に入ってからも疑問に答えてくれる親はいない。
自分の疑問は自分で調べるしかありません。図書館では読めない書物が多く研究書を集める書籍代もかなりかかりました。
生きているうちに自分の疑問を解消したい、毎日決まった量を使って知りたい事を知る時間に当てています。同じ好奇心の仲間がいるのは有り難いです。
⭕️2つ目は未確認情報は許されない環境にいた事です。
能楽は古典の出典がほとんどです。何年も研究している大学教授も多数いらっしゃいます。
その方々を前に出典不明の都市伝説的解釈は通用しません。「その論文は間違ってますよ」なんて事もザラです。頭に浮かぶ事があったら出典や解釈の種類を調べてから質問をしないと相手の貴重な時間も奪ってしまいます。研究者の方にも自分の意見を話す事ができるようにするためにも原典を読むくらいは必須です。
とはいえ、丸一日かかりっきりで研究できる人はそうそういません。まて実生活に役に立たない研究は意味がありません。
かの福沢諭吉先生はそうした知識だけの人のことを「飯を食う字引」と呼んでます。
長く続いている日本の文化や「伝承」を残したいと思っている人は、噂の「受け売り」で文化を塵芥にしないためにも原典を知ることはおすすめです。
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『学問のすすめ』福沢諭吉 著
これらの人物はただこれを文字の問屋と言うべきのみ。その功能は飯を食う字引に異ならず。
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オンラインサロン「奥宮」7月イベント
原典を知りたい方の集まりです。
今月から学びのシェア方法を変えて活性化してきました。
オンライン開催
【朝活】ズーム
▶︎『源氏物語』完読会→毎日5:00
▶︎『日本書紀』完読会 →毎日5:15
▶︎『聖書』完読会→毎日5:30-5:45
5:45フリートーク
▶︎『易経』と日本の文化
10日、17日、20:00より
▶︎能の台本
8:00
日程リクエスト
▶︎clubhouse
日曜日7:00
はじめての『日本書紀』
6日、13日、20日、27日
【夜活】
▶︎オンライン交流会
▷日程はリクエスト開催
リクエストお待ちしてます
【リアル開催】
▶︎大人の社会科見学
▶︎朝活神社参拝
▶︎リアル交流会
日程リクエストお待ちしてます。
7月21日 新潟白山神社 参拝
▶︎講座
8月3日 エアビジリアル講座
▶︎稽古日
7月13日10:00、11:00
7月19日10:09、11:00
▶︎舞台
7月12日「一角仙人」国立能楽堂
7月20日「善竹狂言会」国立能楽堂
7月21日「船弁慶」りゅうとぴあ
7月22日 非公開
7月27日 江東文化センター
▶︎ブログ
森澤勇司WEB
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