久しぶりの雨【定家】

今日は久しぶりの雨です。寒い日の雨というのは冷たいですし好きというよりは嫌いな人が多いのではないかと思います。雨で思い出すのは能「定家」の時雨の亭です。

仏平等説
如一味雨
随衆生性
所受不同

雨が仏の慈悲とおもうと受け取り方も変わってきます。

世阿弥も「風姿花伝」のなかで「善悪不二」という仏の教えを引用している部分があります。人の欲しているタイミングで善にも悪にもなる。また世の中というのは「解釈」「意味づけ」というものでできています。「肯定する」という視座なのか「否定する」という視座なのか。人間は多くの場合、やることを決めていてあとから自分の行為を正当化する理由を考え出すという説もあります。明確な判断基準を持っていないものに対しては、感覚的に良いと思った方向に傾きやすくなるものです。このあたりは能楽放談会の題材にしてみようと思います。

この能「定家」に登場するテイカカヅラは、意外にも東京ではよく咲いています。私が以前住んでいた目白駅から学習院下までのガードレールもずっとテイカカヅラでした。練馬区の富士街道のガードレールも広範囲に渡ってテイカカヅラが植えられています。

5月の始めくらいから咲いているのを見かけます。秋の金木犀、初夏のテイカカヅラも匂い立つ花です。これをよい香りと思うかきつい匂いと思うか好みが分かれそうな香りではあります。金木犀のほうが好き嫌いが少ない感じがします。

能の文章をいろいろ読んでみたい方は百番集という本もあります。観世流と金春流は「百番集」、宝生流「旅の友」、喜多流「四季の友」など名称が違います。購入するときはよく確認してください。

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森澤勇司(もりさわゆうじ) 能楽師小鼓方 1967年東京都生まれ。 テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。 1500番以上の舞台に出演している。 43歳で脳梗塞で入院、 退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。 復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。 著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』 明治天皇生誕150年奉納能、 映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に 能楽師として出演。 2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される
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