歴史的な価値と実用
ご縁あってオートモービルカウンシルという車の展示会にいきました。
この日はジョルジェット・ジウジアーロさんのトークショーもありました。
今では当たり前のように思っているミラーやライトの位置もそれぞれの時代に革新的な考え方があるものですね。
御歳86歳、小学生の時から御名前は知っていましたがリアルでお目にかかれるとは思いませんでした。
広い会場は昨年の5割マシの規模での開催です。
ランチャストラトスの原型が斬新でした。1970年!!
小学生の時にプラモデルを作ったことがある車も実物を見ることができました。
ラリーで使われていた車も置いてあると静かな感じです。それぞれに人を乗せ元気に走り回っていた時代もあり、未だ現役な車もほとんどです。
とはいえ、できた時本来のように使われる車もあり、歴史的な価値のために動かすだけで維持されているものもあります。
能楽の道具は普段着のようなことはなく特別に大切に使われています。もちろん小鼓も同様です。歴史的な価値がありつつもできたときのようにガンガン使われて性能をいっぱいまで使い切る。歴史的な価値が出ると普段使いではなくなります。かつての大衆車も美術品になってしまう。歴史的な価値のあるものはこのバランスが大切ですね。壊してしまってはもとに戻せないものですが、形あるものは大切に使いつつも実用するならばいつか壊れると割り切る部分もなければいけないのかと考える1日になりました。
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森澤勇司(もりさわゆうじ)
能楽師小鼓方
1967年東京都生まれ。
テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。
2000番以上の舞台に出演している。
43歳で脳梗塞で入院、
退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。
復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。
著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』
明治天皇生誕150年奉納能、
映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に
能楽師として出演。
2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される
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