消滅する言語
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あなたもできる!朝活読書。
vol.199 2011年4月1日配信
『消滅する言語』
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▼《1》今日の一言
▼《2》今日の一冊
▼《3》編集後記
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▼〈1〉今日の一言 #199
「あなたにとって言語とは?」
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▼〈2〉今日の一冊
『消滅する言語』
デイヴィッド・クリスタル 著
斎藤兆史/三谷裕美 訳
中公文庫
- 消滅する言語―人類の知的遺産をいかに守るか (中公新書)/デイヴィッド クリスタル
- ¥924
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著者 デイヴィッド・クリスタルさんは
1941年イギリス生まれの言語学者です。
世界の中にある弱小言語にスポットを
当てた一冊です。
地球上からは二週間に一つの割合で
言語が消滅していると言われています。
英語やスペイン語など優位言語の圧力で
消えてゆくものもあれば使う人口が
減ったために継承されないものもある
という事です。現在、危機にに瀕している
言語は約6000有ると言われています。
言語の消滅は人類の知的遺産や
多様性を脅かすものだと著者は
警告しています。
●この本を一言でいうと
「善人の敵」です。
●おすすめのポイント
地球上の言語だけでなく
日本語の方言なども「正しい日本語」という
言語で消滅されようとしています。
英語、中国語、スペイン語など地球上の
言語の約4%の言語を全人口の96%のが使用している
というデータにより考察されています。
カンガルーの飛び方の違いが
日本語に存在するわけもなく
「小春日和」「雪解け」が赤道直下に
有るわけもありません。
他者の文化や習慣を受け入れられず
正誤で考えてしまう傾向を考える
きっかけになります。
●生活への活かし方
現在はなんでも翻訳してしまう翻訳流行です。
この本の「言語」という単語を「思考」と
置き換えて読んでみました。
「言語の多いと無駄」→「思考の多いと無駄」
「言語の多様性」→「思考の多様性」
などです。
他の人の意見を要約する際に慎重に
考え要約するきっかけになると思います。
「私」「あなた」だけではない
「あなたを含まない私たち二人」
「あなたを含まない私たち三人」
「私を含まないあなたたち」
など日本語でも英語でも一言では
訳せない表現が存在します。
世界中を旅して見分を広めることが
出来る方は限られています。
世界の言語の置かれている状況から
私たちが使っている日本語を考える
という視点もあって良いのではないでしょうか。
●その他
「言語が多いと無駄」という思考に対抗する
経済的論拠が主張されています。
外国語に堪能な方も日本語専門の方にも
読んで損はない一冊です。
ぜひ読んでください。
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▼〈2〉編集後記
今日もありがとうございます。
森澤勇司です。
能「敦盛」に
「これかや悪人の友を振り捨てて善人の敵を招け」
という一説が有ります。
この本を読んでいてこの部分が
頭から離れませんでした。
元禄の書物など読むときに
「江戸語辞典」を使っていますが、
私の周囲では江戸の言葉は、
ほぼ消滅しています。
日本の中でも言語の均一化は
かなり進んでいます。
「標準語」「正しい日本語」
「ゴシック体」「教科書体」など
日本語の言語均一化は進んでいます。
地方を旅しても入るのはチェーン店
サービスは均一では共産主義の国
にいるのと変わりません。
日本の経済の行き先を変えるのは
「方言」かもしれません。
自分自身も方言で話してくださる方には
その土地の文化を感じ色々なことを
教えてほしいと思うタイプです。
少数言語の問題と同じように発音を
表記する文字がないという
問題はあるかもしれませんが、
日本では普通の教育を受けていれば
文字を使うことはできます。
話し言葉は「なまり」ではなく
そのまま自分の使っていた「方言」を
使うことが経済発展のカギを
握っているのかもしれません。
「あなたにとって言語とはなんでしょうか?」
古典の壁をなくしたい方におすすめです。
http://ameblo.jp/kotsudzumi/entry-10836773647.html
facebookファンページ作りました。
▼おまけ
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