「難しい」と「簡単」の壁

「難しい」と「簡単」の壁

今日は満月というキーワードで頭に浮かんだことをブログ記事にします。

満月も言い方はいろいろ圆月、満月、望月、新月(東から出る満月)

聞き慣れた言葉や言い回し以外はなんとなく理解し難い「うっ」という抵抗感があります。

難解な書物でも『孫子』は漫画やビジネス書にもなり一般に知られるようになってきました。

『孫子』の原型であり戦国大名のバイブルとも言われる『六韜(りくとう)』の情報は少なめです。

この『六韜』は文、武、竜、虎、豹、犬の六つの巻に分かれています。この虎韜が「虎の巻」のもとになったという説もあります。

時代は紀元前12世紀ー11世紀、文王の質問に対して参謀だった太公望が答える形式で綴られた書物です。簡単に言えばQ &A集ですね。

このなかに月の満ち欠けについて語られたところがあります。

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文韜(ぶんとう)

盈虚(えいきょ)→月の満ち欠け

文王が太公望に質問します。

▶︎文王

天下はある時は盛んになり、ある時には衰える、この原因はなんだろうか?君主の賢明と不肖によるのか、それとも天運による法則なのか?

▶︎太公望

君主が不肖であれば国家は危うく民は乱れます。君主が賢聖であれば国家も安泰で民も治ります。⭕️禍福は君主の不肖により、天運によるものではありません

文王はかつての賢聖のことを聞き太公望は堯帝のことを語ります。

国が理想的に治っていた堯帝のしていたことは

・身に金銀珠玉を飾らず

・錦の刺繍や紋様のある絹の服を着なかった

・奇怪珍妙なものを一切取り入れなかった

・骨董を宝にしない

・風儀を乱す音楽を聴かなかった

・宮殿の垣や室内を白壁にするようなコストをかけなかった

・棟木や柱は荒削りのまま庭に生える草刈りはしなかった。

・鹿の皮で寒さをしのぎ

・粗布の衣服をみにつけ

・玄米や粟の食事

・アカザと豆と葉の汁などの粗食で満足をする

・土木工事で民を集める時は耕作や機織の時期を外す

・内心の欲望は節制し自然に従った政治をした

・忠実、正直な臣下は昇進させ

・清廉潔白で民衆を愛するもにには俸給を増やす

・官僚でなくても、孝行、慈父があれば敬愛し

・農業、養蚕に勤勉ばものには慰労奨励の褒美を出す

・人の行う善悪を明確にし

・善人の家には善の旗をおくりその家や村の門に建て賞賛した

・自分の心は平静に保ち礼節を正しくし

・法律を整備して犯罪や詐欺を禁止し

・憎いものでも功労があれば必ず賞を与え

・身近な愛しているものも罪があれば必ず罰した

・老いて妻のない者、子のない者、幼くして両親のない者は保護養育し

・さまざまな禍により滅亡しそうな家には材を送り援助する

自分次便の衣食住は質素にし、税金、労役は最小限にした。万民は富み栄え、才能を発揮できる仕事に専念し、飢えや寒さの不安なく君主を日月のように尊敬し父母のように親しんだ。

それが堯帝の時代だったと太公望は文帝に語ります。

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天運を気にするようになると月の満ち欠けによる形に一喜一憂します。

賢聖の徳は光っている部分の増えても減っても常に円形の月全体の形です。

月の満ち欠けを盈虚というと言葉は難しそうですが言ってることはシンプルという意味の簡単

簡単なことを実践するのができそうだけど難しい

一回はできても継続できないこともあります。

言葉は「簡単」でわかっても実践には壁がある

満月の日に「簡単」と「難しい」の壁が浮かんできました。

壁といっても実際にものがあるわけではありません。

「簡単」ことを日課にし継続していくと「難しい」の壁を感じなくなってきます。

※画像は天文アプリの本日の月の位置、磨羯宮、射手座の月

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森澤勇司(もりさわゆうじ) 能楽師小鼓方 1967年東京都生まれ。 テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。 2000番以上の舞台に出演している。 43歳で脳梗塞で入院、 退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。 復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。 著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』 明治天皇生誕150年奉納能、 映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に 能楽師として出演。 2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される

曲目目次

あ行 か行 さ行 た行 な/は行 ま/や/ら行
(あ)
藍染川

葵上
阿漕
芦刈
安宅
安達原
敦盛
海士
海人
嵐山
蟻通
淡路

(い)
碇潜

生田敦盛
一角仙人
井筒
岩舟

(う)
鵜飼

浮舟
雨月
右近
歌占
善知鳥
采女

梅枝
雲林院
(え)
江口

江野島

烏帽子折
絵馬
(お)
老松

大江山
鸚鵡小町
大社

小塩
姨捨
大原御幸
小原御幸
女郎花
大蛇
(か)
杜若

景清
花月
柏崎
春日龍神
合浦
葛城
鉄輪
兼平
賀茂
通小町
邯鄲
咸陽宮
(き)
菊慈童

木曾

清経
金札
(く)
草薙
国栖

楠露
九世戸
熊坂
鞍馬天狗
車僧
呉服
黒塚

(け)
現在七面

源氏供養
玄象
絃上
月宮殿

(こ)
恋重荷

項羽
皇帝
高野物狂
小鍛治
小督
小袖曽我
胡蝶

(さ)
西行桜
逆矛

桜川
実盛
三笑

(し)
志賀
七騎落
自然居士
石橋
舎利
俊寛
春栄
俊成忠度
鍾馗
昭君
猩々
正尊
白鬚
代主

(す)
須磨源氏
隅田川
住吉詣

(せ)
西王母
誓願寺
善界
是界
是我意
関寺小町
殺生石
接待
蝉丸
禅師曽我
千手

(そ)
草子洗小町
草紙洗
卒都婆小町
(た)
大会
大典
大般若
大仏供養
大瓶猩々
第六天
當麻
高砂
竹雪
忠信
忠度
龍田
谷行
玉鬘
玉葛
玉井
田村

(ち)
竹生島
張良

(つ)
土蜘蛛
土車
経正
経政
鶴亀
(て)
定家
天鼓

(と)
東岸居士
道成寺
唐船
東方朔
東北
道明寺

木賊
知章

朝長
鳥追船
鳥追
(な)
仲光
難波
奈良詣
(に)
錦木
錦戸
(ぬ)

(ね)
寝覚
(の)
野宮
野守

(は)
白楽天
羽衣
半蔀
橋弁慶
芭蕉
鉢木
花筐
班女

(ひ)
飛雲
檜垣
雲雀山
氷室
百万

(ふ)
富士太鼓
二人静

藤戸
船橋
船弁慶
(ほ)
放下僧
放生川
仏原
(ま)
巻絹
枕慈童
枕慈童(カ
松風
松虫
松山鏡
満仲
(み)
三井寺

通盛
水無月祓
身延
三輪
(む)
六浦
室君
(め)
和布刈
(も)
望月
求塚
紅葉狩
盛久
(や)
屋島
八島
山姥
(ゆ)
夕顔
遊行柳
弓八幡
熊野
湯谷
(よ)
夜討曽我
楊貴妃
養老
吉野静
吉野天人
頼政
弱法師

(ら)

羅生門
(り)
龍虎
輪蔵
(ろ)
籠太鼓