日本人が大切にしてきたもの
今日は『日本書紀』完読会の初日
しばらくは進め方やウォーミングアップなどになります。
今日のテーマは「日本人」の大切にしてきたもの
あえて「日本人」という大きな主語にしてみました。反社もアウトローもどんな人でも従う「暦」についてです。
先日、横浜開港記念日6月2日をうかがいました。
明治以前の日付を聞くと旧暦か新暦かすぐに確認したくなります。
特に明治の改暦から現在のカレンダーになり日本人が大切にしてきた最重要神事がことごとく日付がシャッフルされてしまいました。
文化の根っこ、宇宙とのつながりを数値化した暦を全部捨てて月との関連を捨てきったのが明治の改暦です。
話は戻って横浜開港は安政六年六月二日
新暦に換算せずに日付優先の記念日です。
▲月齢を無視し日付をそのまま採用しているものは下記のものがあります。
●正月朔→1月1日
●三月三日→3月3日(上巳→旧新ともに十二支の巳ではない)
●五月五日→5月5日(端午→旧新ともに十二支の午ではない)
●六月二日→横浜開港記念日(旧暦の日付を新暦にそのまま採用)
●七月七日(上弦の月)→7月7日
立秋に重なる文学的に重要な日
●九月九日(重陽)→9月9日
『易経』の陽=九から陽気が強まる日とされた。この後、十三夜、十五夜、神嘗祭、と続く祭りの継続は明治に消滅。九は陽を表すことから月齢よりもナンバー優先。
▲旧暦の日付を毎年新暦換算して行われているもの
外務省設立記念日→旧暦を新暦に換算している
八月十五日(中秋節)→新暦換算する。月が必須
九月十三夜→新暦換算する。月が必須・前後の祭りの関連は消滅。
▲月齢も干支も無視されている記念日
●2月11日、建国記念の日
明治の紀元節は建国ではなく西暦と同じ通し番号の紀元
神武天皇即位日「正月朔」を新暦換算した日、設立時は1月29日、通常の紀元前の歴換算では2月11日になる。現在、にほんで使っている新暦で換算して2月18日になる年から固定された。月齢ももとになった『日本書紀』の記載とも関係のない換算日。建国ではなく「建国をしのぶ日」
●七月十五日 盂蘭盆会
日付を新暦にしているところひと月ずらして8月15にしているところお寺や地域によっていろいろ。もともとは旧七月十五日。起源は『日本書紀』に記載あり。
●11月23日 勤労感謝の日
新嘗祭とされた日、もともとの新嘗祭は旧十一月二番目の卯の日、もともとの新嘗祭は11月23日からは約三週間から1月半くらい毎年変動する。新暦正月にかかってしまうので毎年変動制から11月23日に固定してした日
こうしてみると月をとおして感じていた宇宙とのつながりは明治にほぼなくなっています。
特に最近ネトウヨ系の人が建国、新嘗祭!!と叫んでいる祭り自体が明治時代に変更されました。
明治がおでんをカレーにしたくらいのインパクトです。先の大戦でGHQが云々主張する人もありますがもともと明治に消滅したものの名前をちょっと変えたくらいです。ビーフカレーをチキンカレーにしたくらいのインパクト。
日本人が大切にしてきたもの反社も従う天体と宇宙とのつながりをバッサリ切った明治時代。
日本人が大切にしてきたものに思いをはせるなら、せめて元になっている原典を読むくらいはしておきたいですね。
※画像はAIで生成しました。
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