【ナイーヴな世界へ】広渡 常敏 著
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毎日1分!朝活読書。
vol.291 2011年7月2日配信
『ナイーヴな世界へ』
広渡 常敏 著
影書房
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「セリフとセリフの間合いを俳優がなにかのことばで
補填すると、戯曲の空間が消えてしまう。
演劇が演劇ではなくなる。」
本文より
▼「わかるとは?」
練馬区に本拠地のある劇団アンサンブルの主宰者
広渡常敏さんの著作です。
「ブレヒトの芝居小屋」を中心として
独創的な演劇を作り続けています。
読書にも通じる内容のものが多いので
読んでみました。
「ここに一冊の本が有る。
それをぼくが読まなければ、
この本は一つの物体だ。」
演劇を作る側の読書に対する考え方も
多数語られています。
読んで理解した訳者は、観客に
物語を説明をしていまうそうです。
「わかりやすい芝居をする安易で
平板な俳優がそこにいるだけだ。」
演劇や本がわかるとは
どういうことなのでしょうか。
ぜひ読んでください。
_____
▼編集後記
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
読者がなにかの言葉を補填したり
嵌めこんだりして行間を読むのは
読むことにはならないと著者は語っています。
つまり行間を読むとは読者が
書いていない言葉を補填することではなく
なぜそこに、ことばが書かれていないのか
ということに疑問を持つという読み方も
あるようです。
古典作品も「わかる」「わからない」という
ようにいう人がいます。
受験用の国語のテストなら
「わかる」「わからない」は
ハッキリしていることですが、
文学作品、演劇の「わかる」というのは
それとは違いますね。
「わかるってどんなことでしょうか?」
感想いただけると嬉しいです
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森澤勇司(もりさわゆうじ)
能楽師小鼓方
1967年東京都生まれ。
テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。
2000番以上の舞台に出演している。
43歳で脳梗塞で入院、
退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。
復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。
著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』
明治天皇生誕150年奉納能、
映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に
能楽師として出演。
2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される
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