六韜、文韜、第三、国務
目次
国を治める王の最大の務めとは
ただ民を愛すること
民を愛するとは具体的には
①生活を安定させること
②危害を与えないこと
③民の願いを叶えること
④妨害しないこと
⑤生かして殺さないこと
⑥与えて奪わないこと
⑦楽しませて苦しめないこと
⑧喜ばせて怒らせないこと
更に詳しく
①民を失業させない
農民が労役などで耕作の時間を失うと
→耕作ができない→すべきことができない→失業
労役は耕作の時期を外し農民の本分が全うできるようにして生活を安定させる
②罪もないのに罰をあたえない
→具体的な生かすということになる
③租税を軽くすること
→与えることになる
④宮殿、離宮を質素にすること
→民を楽しませること
⑤官僚が清廉潔白なこと
→民を喜ばせること
逆に言うと
①民が失業する原因は
→君主が民に被害を与えていることになる
②農民が耕作の時期を失うこと
→農業の破綻になる
③罪もないのに罰する
→殺すのと同じ
④租税の重いこと
→民の財産を奪うことになる
⑤宮殿、離宮の建設で労役で民を疲れさせることは
→民を苦しめることになる
⑥官史が腐敗していれば
→民を怒らせることになる
父母が子を愛するように、兄が弟を愛するように人民を統御する
※統御=心の結びつきでまとめるリーダーシップ
具体的な共感点
①飢えと寒さで困っているものを見れば
→彼らの身になって憂うことができる
②苦労しているものを見れば
→彼らの身になって悲しむ
③民が賞されれば
→自分が賞されたように喜ぶ
④民が罰せられたとき
→自分が罰せられたように苦痛に思う
⑤民が租税を取り立てられるとき
→自分が取り立てられているような気持ちになれること
以上が具体的な民を愛するということになる
まとめ
抽象的な「気持ち」は具体的な「行為」にならない限り、何も感じていないのと変わらない。
「気持ち」=「行為」になるような生活があれば成果も具体的になる。
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