六韜、文韜、第十二、兵道
十二は文王の子、武王(後に殷を滅ぼす)の質問で始まります。
目次
兵の道とは
「一意専心」に尽きる
ただひとつしか無い道ならば進退以外の選択肢がない。
蚩尤をうって天下統一した黄帝の逸話
「一は自在な道に通じ、変化不測な神に近し」
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黄帝の蚩尤を打つ話は
能「自然居士」に挿入されています。
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兵道で大切なのは
①機会(タイミング)
②勢いに乗ること
兵道を完成させるのは君主、聖王は兵を凶器と考えてやむを得ないときだけ用いる
必要最小限で最大の効果を考えて資源を使う
殷の紂王(ちゅおう)の状況
国家が無事なので国に滅亡が有ると思っていない
楽しみだけを求めてわざわいがあると思っていない
国の無事は偶然に存続するものではない
国王が常に国民の憂いに先立って突然のワザワイを憂慮する
その中にこそ平和な楽しみが有る
太公望は武王はこうした根源的な問題を考えているので目先の細かいことは心配しないでいと語った。
武王のさらなる疑問
両軍が対峙して、敵軍も攻めてこない、こちらも攻めるタイミングがつかめないその場合はどうすればよいか。
太公望の答え
①外見は陣内が乱れているように見せる
→内側は充実させる
②敵には食料が不足して飢えているように見せる
→十分に蓄える
③精鋭な兵士は鈍く見せる
④集合したり分散したりして統一感も規律もないように見せかける
⑤作戦を秘密にする
⑥陣塁を高くして伏兵を潜ませ音を立てない
こうして敵軍が手を出せない状態を作る
攻めるときは
敵の西を襲撃しようと思ったら、はじめに東に攻撃を仕掛ける、東側の守備が厚くなってきたら手薄になった西側を攻める。
内通者がいたときは
戦いに勝つ術は、敵が攻撃を仕掛けてくる機を察すること
その機を外さず先手を取って不意に攻撃を仕掛けることだけである
※内通者に関しては「孫子」「三十六計」にも多く語られている。
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