六韜、竜韜、第二十一、立将
目次
将軍を任命するときの礼式とは
君主は
①正殿をさけ別殿に移る
②将軍を任命する「国家の安危は将軍にかかっている。某国は不臣になった。軍隊で討伐せよ」
③太史に占いの用意をさせる
④三日間の斎戒沐浴で心身を清める
⑤先祖の霊廟で霊亀の甲羅を焼き出陣の日を決める
⑥斧と鉞を将軍に授け全権を委任する
斧と鉞の儀式
①君主は霊廟の前で西に向かって立つ
②将軍は北に向かって立つ
③君主は鉞の頭部をもち将軍に柄をわたす「天にいたるまで将軍に一任する」
④君主は斧の柄を持ち頭部を処軍に渡す「地に至るまで一任する」
君主から将軍への言葉
①敵のスキを見たら攻撃し充実してスキがなければ必ずとどまれ
②大軍であることに頼ってはならない
③君命を重んずるあまり軽々しく討ち死にしてはならない
④自分の身分が高いからと言って人を蔑んではならない
⑤独断と偏見で大衆の意見を無視してはいけない
⑥口のうまいものに言いくるめられて早合点してはいけない
⑦兵士が休まないうちに休んではいけない
⑧兵士が食事をしないうちに食事をしてはいけない
⑨寒さ暑さも必ず兵士とともにする
このようにすることで多くの兵士は死力をつくして戦うようになる
将軍から君主へ
①国政は国外戦で治めることはできない
②出征軍は国内から制御することはできない
③君主に国を思う心と自己愛の二心があっては君主に仕えることはできない
④君主が将軍に疑いを持ち、将軍が君主に疑いを持つようでは敵国に応戦することはできない
⑤君命を受け軍の刑罰につかう斧と鉞を委任されたからにはいきて帰るつもりはない
⑥出征軍には国内から干渉しないという一言をいただきたい
⑦干渉しないという一言がなければ将軍の光栄は受け取れない
以上の内容を伝える
君主が将軍に全権委任したあとは
①将軍は別れを告げ出征する
②全ては将軍の裁量に任される
③将軍の権威が確立し兵士も迷いがなくなる
④上は天からの干渉もなく、下は地からの制約もなく、前に敵なく、後ろに君主なし
⑤智者は将軍のために知恵を絞り、勇者は将軍のために力を尽くし
⑥勢いに圧倒され武器を使うまでもなく敵は降伏する
理想の勝利
①君主の前で賞する
②将軍は昇進する
③兵士は賞賜を受ける
④人民は歓喜する
将軍はこれで任務が終了する
理想的な勝利のあとの自然状況
理想の勝利には
①天地の気が感応する
②天候が安定する
③農作物がよく実る
そして国家は安定する
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