六韜、竜韜、第二十九、兵徴
目次
戦いの途中で勝敗の前兆を知る方法とは
精神面に現れる徴候を明将はいち早く察知する
注意深く敵陣を観察すると人から見えるものがある
①敵陣の人の出入り
②進退を観察する
③動静、言語、吉兆の前兆
④兵士の話
軍が強い場合
人
①全軍が喜び勇んでいる
②士卒が軍法を大切にしている
③将軍の命令を重んじている
④敵を破ることを喜び合っている
⑤勇猛、功名談に興じている
⑥ひたすら武威を上げることを名誉としている
環境
①全軍に秩序がある
②陣形が堅固
③堀は深く城壁は高い
④大風雨が有利に働いている
⑤軍中に事故がない
⑥軍機は前に向かってはためく
⑦鐘の音が済んでいる
⑧太鼓の音がよどみなく響く
以上が天佑神助を得る印になる
軍が弱い場合の人
人
①頻繁に驚き騒いでいる
②兵士の心が一致していない
③敵の強いことを恐れている
④味方の不利におしゃべりが多い
⑤不吉な流言が多い
⑥疑心暗鬼
⑦軍法を恐れていない
⑧指揮官を軽んじている
環境
①隊列、陣勢が堅固ではない
②軍旗は乱れもつれ合っている
③大風雨が不利に働いている
④兵士が恐れている
⑤気力がなく息切れしている
⑥軍馬は驚き駆け出すことがある
⑦戦車は車輪が折れている
⑧鐘の音が濁っている
⑨太鼓の音は湿ってよく響かない
以上が大敗の前兆になる
城の気の流れ
城を攻め包囲したときの城の気相
①火の消えた灰のような感じのとき
→陥落させることができる
②北に流れていたら
→攻め勝つことができる
③西に流れていたら
→城を降ろすことができる
④南に向かっていたら
→攻め落とすことはできない
⑤東に流れていたら
→攻めてはいけない
⑥たつ気がでて再び入るような流れの時
→城主が必ず逃亡する
⑦城の上に立つ気が味方の軍を覆うような時
→軍中に病人が出る
⑧城の上に立つ気が高く登り続けている時
→戦いは長引く
⑨十日過ぎても雷もならず雨もふらない時
→速やかに撤退する→その城には援軍か天佑神助がある
以上が攻める機微を知って攻め、攻めるべきでない場合を知って中止する実例になる
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