武漢風邪予防のために歩く朝橋の向いは文殊の浄土【石橋】
このところ人の少ないコースで朝の散歩をしています。5キロから10キロ歩けるので家の中にいるよりは体調良くなってきました。
今日は空の雲がなんともいえない空気感でした。神々しいというのでしょうか。一昨日も5月16日の「石橋(しゃっきょう)」が中止になった連絡が入りました。
「石橋」は節目になる曲ですから特別な思いのある曲です。能楽師の経歴にも掲載する重要な曲となっています。
逆に言えば修行の過程で必ず演じる曲なので能楽師の数だけ「石橋」があるともいえます。かつてはあまりに大切にされていて出来る人がいなくなってしまうと言う危機も伝わっています。
よく大切にしすぎてしまった場所が思い出せないという感じです。何十人もの人が関わっているのに誰も知らないというのはよほど大切にされていたのでしょう。
その「石橋」の謡の中に橋の功徳が語られます。「虹をなせる姿」
空の光のせいかいつも渡っている橋が石橋のように見えてきました。
そこでこんな角度で写真を撮ってみました。「向かいは文殊の浄土」弓なりになっている橋の向こうには本当に浄土が広がっているような景色でした。
石橋に使う能面は、相模線のモデルになってます。
江戸時代の「石橋」復曲の物語はこちら「わらんべ草」がおすすめです。狂言方の目を通して担当になった能楽師の試行錯誤が描かれています。
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森澤勇司(もりさわゆうじ)
能楽師小鼓方
1967年東京都生まれ。
テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。
2000番以上の舞台に出演している。
43歳で脳梗塞で入院、
退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。
復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。
著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』
明治天皇生誕150年奉納能、
映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に
能楽師として出演。
2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される
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