気と志の事【楠露】
昨日から引き続き思いつくままにつらつら綴っています。
気、志という言葉もよく使われる言葉です。
では何かといえば「気」は見えないもの
「志」は言語化されたものが多いように感じます。使う人によって意味が違うことも多いようです。
柳生宗矩『兵法家伝書』によると
気は外に発散するもの。これは単純に感じる人だけが感じるものではなく誰でもがみてわかる事柄です。念じているのではなく筋肉運動がともなうもの。外から見てわかる種類のものが気です。わからなければ「気」はないと言ってもいいでしょう。
そしてそれは中にある「志」を表現するものです。志も崇高な事柄のイメージがありますがそれは大志であって志自体が崇高な意味を持つわけではありません。
【志】コップをとりたい→【用】
【気】コップを取る→【体】
気というと見えないものという意味で使う人が多いものですがはっきりと外からわかるものが気と語られています。これは世阿弥は「体」と「用(ゆう)」という言葉で表現しています。
いろいろな言葉や表現は違っていても内側で思っていること考えていること、それを表現することがセットになって自分の行為になっていきます。
何かに取り組む時、どういう結果が欲しくてしているのか。どうしたいのか。ここが一貫していると自分も他人もわかりやすいですね。
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森澤勇司(もりさわゆうじ)
能楽師小鼓方
1967年東京都生まれ。
テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。
2000番以上の舞台に出演している。
43歳で脳梗塞で入院、
退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。
復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。
著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』
明治天皇生誕150年奉納能、
映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に
能楽師として出演。
2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される
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