素直と毛氈

素直と毛氈(もうせん)

毛氈はお茶席などでも見かける赤い敷物です。

朝活は『続日本紀』聖武天皇、『日本書紀』国産み、『聖書』エズラ記(ギリシャ)

『続日本紀』ちょうど聖武天皇の母親の記載。歌舞伎「勧進帳」その原曲の能「安宅」で読まれる勧進帳に関わる記述を読む。

この記録が伝説になり、芸能になり、現代まで続いている。現代に起こっていることがどう1000年後に伝わるのか、1000年後から見たら今はどんな世の中なのか。時代が変わっても人は変わらない。過去を知ることは未来を選ぶ基準になります。

そんな今日は港区文化交流館で能楽ワークショップ&実演の会です。

能は「猩々(しょうじょう)」
孝行息子 高風は夢を見ます。
揚子江の市場でお酒を売りなさい。

夢の通りに市場お酒を売っているとどんどんお金持ちになっていきます。

「次第次第に福貴の身となりて候」

毎日、酒を飲みにくる不思議な人がいました。何杯飲んでも顔色が変わらない。不思議に思って名前を聞くと海に住む猩々だと答えます。

そしてまた市場で猩々を待っていると猩々が現れ舞を舞います。

この猩々は現在、後半だけしか上演されません。

前半の名残の文言が一部残っています。

「ただいま返し與ふるなり」

何を返す?と不思議な文言です。残っている前半の台本を見てみると猩々が酒の壺を海に持って行ってしまいます。

そして酒が湧き出る壺にカスタマイズして返してくれる。その文言が「ただいま返し」と言っています。

前半と後半の間にある狂言の台本によれば高風はお酒だけで儲かったのではないようです。

お酒に集まってくる猩々を捕まえてすりつぶして血を搾る。

その血は黒ずむことなく赤いままでいるので高く売れたそうです。

今だったら残酷な気もしますが、昔は血はめでたいものだったようです。

生類憐みの令あたりで後半だけになったのかもしれません。

そして毛氈の赤は「猩々緋」という色です。

そして壺を返す時、猩々は高風に理由を言います。

「御身こころ素直なるにより、、」

素直だから返してくれます。

夢のメッセージを素直に実行。

能の中には夢からメッセージを受け取る物語がかなりあります。

ひとつ企画書作ってあるのですが、、どうしたら世に出るのか夢に聞いてみようかな😃

※画像は本日の公演チラシです。

 

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森澤勇司(もりさわゆうじ) 能楽師小鼓方 1967年東京都生まれ。 テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。 2000番以上の舞台に出演している。 43歳で脳梗塞で入院、 退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。 復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。 著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』 明治天皇生誕150年奉納能、 映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に 能楽師として出演。 2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される

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曲目目次

あ行 か行 さ行 た行 な/は行 ま/や/ら行
(あ)
藍染川

葵上
阿漕
芦刈
安宅
安達原
敦盛
海士
海人
嵐山
蟻通
淡路

(い)
碇潜

生田敦盛
一角仙人
井筒
岩舟

(う)
鵜飼

浮舟
雨月
右近
歌占
善知鳥
采女

梅枝
雲林院
(え)
江口

江野島

烏帽子折
絵馬
(お)
老松

大江山
鸚鵡小町
大社

小塩
姨捨
大原御幸
小原御幸
女郎花
大蛇
(か)
杜若

景清
花月
柏崎
春日龍神
合浦
葛城
鉄輪
兼平
賀茂
通小町
邯鄲
咸陽宮
(き)
菊慈童

木曾

清経
金札
(く)
草薙
国栖

楠露
九世戸
熊坂
鞍馬天狗
車僧
呉服
黒塚

(け)
現在七面

源氏供養
玄象
絃上
月宮殿

(こ)
恋重荷

項羽
皇帝
高野物狂
小鍛治
小督
小袖曽我
胡蝶

(さ)
西行桜
逆矛

桜川
実盛
三笑

(し)
志賀
七騎落
自然居士
石橋
舎利
俊寛
春栄
俊成忠度
鍾馗
昭君
猩々
正尊
白鬚
代主

(す)
須磨源氏
隅田川
住吉詣

(せ)
西王母
誓願寺
善界
是界
是我意
関寺小町
殺生石
接待
蝉丸
禅師曽我
千手

(そ)
草子洗小町
草紙洗
卒都婆小町
(た)
大会
大典
大般若
大仏供養
大瓶猩々
第六天
當麻
高砂
竹雪
忠信
忠度
龍田
谷行
玉鬘
玉葛
玉井
田村

(ち)
竹生島
張良

(つ)
土蜘蛛
土車
経正
経政
鶴亀
(て)
定家
天鼓

(と)
東岸居士
道成寺
唐船
東方朔
東北
道明寺

木賊
知章

朝長
鳥追船
鳥追
(な)
仲光
難波
奈良詣
(に)
錦木
錦戸
(ぬ)

(ね)
寝覚
(の)
野宮
野守

(は)
白楽天
羽衣
半蔀
橋弁慶
芭蕉
鉢木
花筐
班女

(ひ)
飛雲
檜垣
雲雀山
氷室
百万

(ふ)
富士太鼓
二人静

藤戸
船橋
船弁慶
(ほ)
放下僧
放生川
仏原
(ま)
巻絹
枕慈童
枕慈童(カ
松風
松虫
松山鏡
満仲
(み)
三井寺

通盛
水無月祓
身延
三輪
(む)
六浦
室君
(め)
和布刈
(も)
望月
求塚
紅葉狩
盛久
(や)
屋島
八島
山姥
(ゆ)
夕顔
遊行柳
弓八幡
熊野
湯谷
(よ)
夜討曽我
楊貴妃
養老
吉野静
吉野天人
頼政
弱法師

(ら)

羅生門
(り)
龍虎
輪蔵
(ろ)
籠太鼓