常に起こる問題

常に起こる問題

朝活は『日本後紀』桓武天皇、『日本書紀』雄略天皇、『聖書』Genesis

そのあとはアメリカ大使館でビザ申請。時間かかると聞いていましたが30分もかからず終了。次の予定まで休憩できて有り難い。

遠い昔のような歴史書も毎日向かい合ってみるとちょっと前のニュースのように感じられます。現代に通じるところも多いです。

今日の『日本後紀』では桓武天皇時代の皇族の予算について語られていました。

6世代まで地位と予算を取っている!!

増えすぎで官僚にしようにもポストが足らない、、現代どんなに皇室をリスペクトしている方でもここまでは容認できるのか??

ちょっと前には皇族であって出勤日数で予算が計算されるような時代もありました。

どんな優秀な人材も多ければポストがなく、能力を発揮できずに終わってしまう。

個人で設定した生きがいと豊かさが得られたら人生OKでよいのかと思ってます。

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延暦十五年十二月九日
天皇が次のように詔した。

皇親に与えられる蔭(高位の者の子孫がうける恩典)は令に詳細である。

しかし、多数に枝分かれした皇親は員数が多く、高位を授けようと思ってもみなに及ぼすことができない。

このため官司へ出仕しようとしても位を欠き、白髪の老人になっても勤できない者がいるほどである。これを思うと憐れまざるを得ない。

そこで、四世・五世王と五世王の嫡子で二十一歳になった者は、正六位上に叙せ。五世王の庶子は、一階下して正六位下に叙せ。今後はこれを永例とせよ。
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官僚ポストや予算に困るほど増えた皇族も雄略天皇の御代は真逆です。

安康天皇は仁徳天皇の子 大草香皇子を殺します。大草香皇子の后を自分の后に迎えます。

大草香皇子の子 眉輪王(7歳)は遊んでいる時、安康天皇と后の話を聞いてしまいます。そして酔って寝ている安康天皇を殺害し父親殺しの恨みを晴らします。

雄略天皇の御代は皇族の後継者争いが激しい時代です。

この後も後継者不在の皇統断絶を日本独自のルールによって継続されます。

桓武天皇の時代もあわせてみると皇統継続には2つの問題が常に起こります。

不在と増えすぎ

今後もこれは変わらないでしょう。

問題は常に起こるものなので、都度対処していく事になるのでしょう。歴史書にはそうした記録が綴られています。

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『日本書紀』

三年の八月に、穴穂天皇(安康天皇)は、沐浴をしようとお思いになって、山宮に行幸された。そこで楼にお登りになってお遊びになった。そうして、御酒を召されて、宴会を催された。

こうして、おくつろぎになり、お楽しみの極にあるあいだに、お談合をなさって、ひそかに皇后〔去来穂別天皇(履中天皇)の皇女で、中蒂姫皇女と申し上げる。またの御名は、長田大娘皇女。大鷦鷯天皇(仁徳天皇)の皇子大草香皇子が、長田皇女を娶られて、眉輪王をお生みになった。

後に、穴穂天皇が、根臣の讒言を用いられて、大草香皇子を殺し、中蒂姫皇女を立てて皇后となさった。この話は、穴穂天皇紀にある〕にお語りになって、 「わが妹よ〔妻を妹と称するのは、あるいは古の俗言か〕、あなたは、私にとってむつまじいが、私は、眉輪王をおそれている」 と仰せられた。

眉輪王は、幼少であって、楼の下で遊び戯れておられたが、その話を全部聞いてしまわれた。

穴穂天皇は、皇后のお膝を枕になさって、昼の酔いで、お眠りになった。

そのとき、眉輪王は、天皇の熟睡されたのをうかがって、刺し殺してしまわれた。この日に、大舎人〔姓字は伝わっていない〕が、走って行って、天皇(雄略天皇。当時、大泊瀬皇子)に、 「穴穂天皇は、眉輪王のために殺されてしまわれた」 と申し上げた。
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※画像は桓武天皇 柏原陵です。

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森澤勇司(もりさわゆうじ) 能楽師小鼓方 1967年東京都生まれ。 テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。 2000番以上の舞台に出演している。 43歳で脳梗塞で入院、 退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。 復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。 著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』 明治天皇生誕150年奉納能、 映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に 能楽師として出演。 2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される

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曲目目次

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海人
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(い)
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(う)
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(え)
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小原御幸
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(ら)

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