三輪山の山本、道もなし

三輪の山本、道もなし
11月9日、日曜日に久しぶりに「三輪」を勤めます。
三輪の名前の由来になった『古事記』のオダマキ伝説、『日本書紀』の倭の笠縫邑とおぼしき伝説。
最後には、伊勢と三輪の神は一体だと語られます。
この能「三輪」を舞うシテは大物主神の物語を語り、巫女にもなり、天照大神の要素もある。どの視点で見るかで物語が変わって見える面白い一曲です。
『古事記』『日本書紀』にはない『古語拾遺』の天岩戸伝説「面白や」の語源になった場面も再現されます。
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これより先、天照大神と大国魂の二はしらの神を、天皇の居所の中にお祭りしていたのであるが、神々は、それぞれの威勢を遠慮されて、ともに住みたもうことを心地よく思われなかった。
そこで、天照大神には、豊鍬入姫命をお付けになって、倭の笠縫邑に祭られた。そして磯堅城の神籬(神籬、これを比莽呂岐という)を立てた。
また、日本大国魂神には、淳名城入姫命をお付けになってお祭りをさせた。しかし渟名城入姫は、髪がぬけ落ち、身体が痩せ細って大国魂神をお祭りすることができなかった。
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森澤勇司(もりさわゆうじ)
能楽師小鼓方
1967年東京都生まれ。
テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。
2000番以上の舞台に出演している。
43歳で脳梗塞で入院、
退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。
復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。
著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』
明治天皇生誕150年奉納能、
映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に
能楽師として出演。
2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される
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