日本書紀 完読会 23週目 感想
190−225
「右に出づる人なし」という表現がこの時代からあったことが面白い。ただいま『古事記』完読会もしているので比べてしまいがち。『古事記』は神代の部分が占めているので天皇の御代になってからは『日本書紀』が面白く感じてしまう。そして何よりも神代と天皇の御代の対比は『日本書紀』でないと情報が少なすぎる。
継体天皇の御代からは任那が多出する。神功皇后のあたりから国内の記述が少なめに感じる。かつての満州のように朝鮮半島は日本の一部のような感覚だったのだろうか。上層部はともかく一般人はどんな感覚だったのかに興味が湧く。
内部の争いも多い。内部の争いの記述があるときはたい外国との争いは少ない。
内乱と外国との戦争を両方していたらあっという間に国は無くなってしまうだろう。
現在は対馬の問題が話題になるが、この当時は対馬など軽く通り越して朝鮮半島を領地としているのだから対馬は当然含まれている。なにか北方領土と同じ構図を感じてしまう。
自国をよく思いたいのはどこの国の国民も同じだと思うが、歴史書や古典など聞き齧りではなく読まないことには議論にもならないと感じる。
辛亥の記述をみるとこれ以前の天皇の御代はかなり不確定ないもののようだ。辛酉に合わせて当てはめて行ったのだろう。
この辺り年号を入れる苦労は計り知れないものがある。膨大な外国の書物から議論がなされたのだろう。
巻は十八に進む。ここでも遷都がある。食料の安定供給に力を入れているのは時空を超えて有り難い。
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森澤勇司(もりさわゆうじ)
能楽師小鼓方
1967年東京都生まれ。
テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。
2000番以上の舞台に出演している。
43歳で脳梗塞で入院、
退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。
復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。
著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』
明治天皇生誕150年奉納能、
映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に
能楽師として出演。
2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される
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