おおきな木 村上春樹 訳
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あなたもできる!朝活読書。
vol.213 2011年4月15日配信
『おおきな木』
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▼《1》今日の一言
▼《2》今日の一冊
▼《3》編集後記
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▼〈1〉今日の一言 #213
「あなたにとって与えるとは?」
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▼〈2〉今日の一冊
『おおきな木』
シェル・シルヴァンスタイン 著
村上 春樹 訳
あすなろ書房
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昨日に続き絵本です。
今日の「大きな木」もシンプルな白黒の絵本です。
著者 シェル・シルヴァスタインさん
(1930~1999)はアメリカ生まれ。
絵本作家、ソングライター、
漫画家、詩人として活躍しました。
訳の村上春樹さんは1949年生まれ。
「1Q84」「ノルウェイの森」
で有名な小説家です。
登場するのは1本のリンゴの木と少年です。
(足だけはもう一人)
木と戯れていた少年は成長し
お金が欲しくなれば
木からリンゴを貰いお金に換え、
家が欲しくなれば、枝を切り、
船が欲しくなれば
その木を切って船をつくってしまいます。
最後に年を取った少年(老人)
が切り株だけになった木に会いに来ます。
「木のしあわせ」は何だったのでしょうか。
●この本を一言でいうと
「羽衣」です。
●おすすめのポイント
全編、自分を切られても少年に与え続ける
木の物語です。常に「木はしあわせでした。」
という区切りのつけ方ですが、
一か所だけ伐られてしまったときに
「しあわせに・・・なんてなれませんよね。」
という一文が有ります。
これを読んだときに能「羽衣」の
月の天女の言葉が
頭の中で聞こえてきました。
羽衣を返してくれたら
舞を見せるという天女に
漁師は先に返したら舞を舞わずに
月に帰るだろうと言います。
その時に天女は漁師に向かいこう言います。
「いや疑いは人間に有り、天に偽り無きものを」
この後、漁師は自分を恥じて羽衣を返します。
「おおきな木」を私たち人間の感覚で読んでいると
少年が木を切ってしまったときに
一瞬でもこう感じないでしょうか。
「これで幸せなはずはない」
悲しいことが有っても嬉しいことが有っても
毎年、同じような時期に花を咲かせます。
人間と自然の共通点を考える
きっかけになると思います。
●生活への活かし方
絵本に登場するのは少年と木ですが
なにか地球と人間のように見えて
仕方ありませんでした。
自然環境保護を訴えながら
一方で破壊してゆく
思い当たることはないでしょうか。
読者が自分の心に有る問題のヒントを
見つけられる一冊だと思います。
ぜひ読んでください。
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▼〈2〉編集後記
今日もありがとうございます。
森澤勇司です。
原題は「The Giving Tree」というそうです。
地球が木だとしたら与えられて
資源を使い、切り倒し、そんなことを
しているような感覚になりました。
切り倒さなければ人間という少年は
少年の姿のまま木と遊んでいるように思います。
「あなたにとって与えるとは?」
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能楽も少し興味が有る方におすすめ
http://ameblo.jp/yu-o-mo/entry-10787121747.html
今なら読んで理解できると思います。
http://ameblo.jp/yu-o-mo/entry-10861846868.html
通勤の時に位電車に乗る方におすすめです
http://ameblo.jp/yu-o-mo/entry-10689799207.html
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古典の壁をなくしたい方におすすめです。
http://ameblo.jp/kotsudzumi/entry-10836773647.html
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▼おまけ
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