【星座で読み解く日本神話】勝俣隆 著
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毎日1分!朝活読書。
vol.312 2011年7月23日配信
『星座で読み解く日本神話』
勝俣 隆 著
大修館書店
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『本書が神話や文学、星や天文学を愛する
人々の目に触れて、日本にも、星の神話が
存在したのだということを理解していただければ
幸いである。』
勝俣 隆(1952~)
▼「言葉の通りにみてみると?」
古事記、日本書紀や風土記などを比較対象し
そこに書かれた神々の姿を天空の星の動きと
比較し分析した一冊です。
日本神話には星座が登場しないというのが
定説だそうです。
天照大御神が太陽、月夜見命が月と
解釈される一方で一緒に生まれた
他の神々が、天体と解釈しないほうが
不自然だと著者は語ります。
後半では主に
天鈿女命の対応している星座や
天の岩屋戸がどこなのか、
天空の図や海外の星座と
比較対象しつつ
記紀の文章と照らしあわせ
著者の解釈で星座を復元しています。
言葉では天上の話と言いながら
対応している星がどれかは考えてみたことが
なかった方には衝撃の古典解釈だと思います。
是非読んでください。
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▼編集後記
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
今日もありがとうございます。
森澤勇司です。
この本を読むまで全く意識していませんでしたが、
古事記、日本書紀に太陽と月以外の星が
語られていないと考えるのは不自然です。
ギリシャ神話では星になるまでのお話が
ありますが、日本の神話の場合は
そもそもが星の話だという前提で
読めば納得できる内容が多いように思いました。
まだ天体に関しては調べ始めたばかりですが、
青龍、朱雀など方位を表す言葉も
実在する何かの色に対応していると
考える方が自然ですね。
そもそも日本の神話は「天の○○」
と言っているのですから
空を見上げた星の事だとなぜ思わなかったのか、
先入観や教育というのは恐ろしいものだと感じました。
この本では触れていませんが
能のシテの装束も、星の運航に
影響されているのではないかと思う
点がいくつかありました。
古墳に標された星座には古典を読むための
ヒントがあるようです。
謡曲「岩舟」もこの本のように解釈すると
星座めぐりのお話かもしれませんね。
「言葉の通りに見てみると?」
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