六韜、文韜、第一、文師
目次
人を引きつける徳を身につけること
能「鞍馬天狗」「張良」など、兵法の奥義を授かる物語があります。その兵法の奥義というのが太公望の教えをまとめた「六韜」だと言われています。そこでどんなことが語られているのか、どんな教えだったのか学んで行こうと思います。60章に分かれている第一番目は文王と太公望の出会いです。
文王が仮に出るときに亀卜の占いで三代の補佐役が見つかるということを聞く。
そして出会ったときに
文王「釣りはお好きですか」
太公望「君子は志を釣り、小人は物を得るを楽しむ」
釣りの目的は何か
太公望の教え
◆釣りには目的を得るための対処法が3つある
餌と禄
①登用された忠臣が命をかけて働く
②才能の高低で禄が変わる
③餌と魚、禄と人の関わりは釣りと同じ、この関係性は深遠である。
結論、釣りから国家を見通すことができる。
③深遠とは具体的にどんなことか
①地の深いところから水がわき
②魚が住み
③木の根がはり
④木が成長し実がなる
君子が親しみ合って社会が成り立つ
上辺の言葉はその飾りにすぎない。
見かけのきらびやかさは間もなく滅びる。
人を引きつける徳はどうやって身につけるのか
利益は自分ひとりのものではない、公益性のある考え方から徳は生まれる。
天には春夏秋冬がありその時々のタイミングで地の資源、財産を活かすことが宇宙の法則。
この天地の法則に順応して万民と分かち合うものを「仁」という。
徳に加え仁を身につける
具体的な徳とは何か
①死にそうなものを救う
②人の困っていることを助ける
③人の心配事を助ける
④人の危険を救済する
この4つを徳という。
人間の本質とは
①死を嫌がる
②生きることを楽しむ
③徳を好む
④利得につく
人は自然に上記の4つに帰属しようとする。
仁、徳に加えて義とは何か
衆人とともにすること
①楽しみ
②好み
③憎しんで自我を主張しない
この3つが義
まとめ
大人は目的のために行為がある
小人は得られる利益が目的になる
仁=利益を広く分配する考え方
自然の法則に順応する
徳=困ったことを救済する具体的な行動
①死にそうなものを救う
②人の困っていることを助ける
③人の心配事を助ける
④人の危険を救済する
義=自我を主張しない
①楽しみを共有する
②好みを共有する
③憎しんで自我を主張しない
この章を読んで
「共有」と「強要」とを勘違いしていると相手にストレスを与える。相手のためかどうかは相手が決めることで自分では決められない。
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