六韜、武韜、第十三、発啓
目次
文王の嘆き
殷の紂王は罪もない人を悪者にし殺している。なんとか殷の国民を救えないものか
太公望の答え
まずすること
①自分自身の徳をおさめ、
②賢人を礼遇し、
③人民を敬愛する
④天道をみる→現在の状況はどうなのか
天命が殷王を見放さないうちに討伐を口に出してはいけない。
人民の生活に支障がないうちに兵を挙げることは考えてはいけない。
天が災いを下すのを確認し
人民に災難がふりかかってからはじめて討伐を考える
実際に討伐にあたっては
①目に見えているところ
②目に見えていないところを区別する
内政とともに外交を見極めることで意図を知ることができる。
①誰と疎遠にしているか
②誰と親しくしているか
これを見極めることで真意が見える
これらの確認の上で礼を重んじ、正しい方法で戦うこと
◆全勝は戦わず、創つくこと無し。
鬼神に通じるようなもので少しの差が理想の結果を作る
具体的な勝利の方法とは
国民と心を一つにすること
①病気の人がいれば自分が病んでいるように救う
②人の事業の成立を望む
③人の憎むところはともに憎む
④人の好むことろはともに好む
⑤互いに手を取り合って進んでいく
その結果
①武器がなくても勝ち
②兵器がなくても攻めることができ
③塹壕を作らなくても堅い守りができる
その真意とは
表面だけ見れば
真の智である
大智=智には見えないもの
大謀=謀には見えない
真の勇=勇に見えない
真の利=利には見えない
大利を図るものが天下への道を開く
天下を害するものは天下への道は閉じる
◆天下は一人の天下ならず、乃ち天下の天下なり
天下を取るとはどういうことか
野獣を追いかけるようなもの
天下の人のほしいもの→肉の分配
同じ船に乗り合わせて川を渡るようなもの
渡りきれば全員利を得る。失敗すれば全滅する→運命共同体である
◆自分の利を導いてくれる人の行く手を遮る人はいない
→これが天下を取るということ
望まれるのはどういう人か
①人民の利を奪い取らない→人民の生活の安定を心がける人
②国の利を奪い取らない→国の安定を心がける人
③天下の利を奪い取らないこと→天下の民に利をもたらす
太公望の進言
猛鳥が獲物を取るときは低くとんで翼をすぼめる
猛獣が獲物を取るときは耳をたれ低く身を伏せる
聖人が行動を起こそうとするときは
◆愚者のような態度でいること
殷の現状
①民衆が噂話で動揺している
②収集がつかないほど風紀が乱れている
この二点で、国が滅亡する兆候が見えている
更に
③土地の状況→田畑があれ雑草だらけになっている
④人の状況→邪悪で不正なものが勢力を得て、正直な人を圧迫している。
⑤官史は→法律を乱用して秩序を乱している、それを無自覚でしている。
以上のことから国が滅亡する時期が近づいている
王の器
太陽が輝き万物を照らす
大義があり万物が利を得る
大兵が動き万物が帰服する
聖人の徳
常の人には聞こえない物を一人聞き一人見る
そして天下の人々を導いてゆく、これが聖人の楽しみである
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