つき餅のできるご縁と花の縁どちらも良いが同じではない
目次
満月は望月
今日は満月なので望月にちなんで餅つきの話題です。
ちょっと季節外れですが、それも「縁」という餅を題材にご縁のことを少し、、
自分の目の前に奇妙なものが現れるのも「縁」です。
この「縁」は昨今「つながり」のような意味で使う方が多いのですが、、
仏教の言葉で、よくも悪くも「外側要因」すべてのことを「縁」といいます。
「縁」とはなにか
能楽にも「縁」という言葉がたくさん登場します。
この、縁を具体的にしてみると種の場合はこんなご縁があります。
種が発芽するのも、種だけでは発芽せず、土や水、
虫や光という外的要因があって発芽します。
つまりは、外的要因が全くなければ種のままでいて変化は有りません。
次に「餅」のご縁はどんな感じでしょうか。
もち米が水に浸されて、蒸されて、突かれて、伸ばされたり、丸められたり、ちぎられたりしながら「餅」になります。その外的要因がすべて「縁」です。
お花だったらどうでしょう。チューリップだったら、球根を優しく土に埋められて太陽の光、風、優しい言葉などできれいな花がさくのが花の「縁」です。
すべてなるものがあってご縁が適切かどうかわかります。
それぞれの人が望んでいる状態によってこの「縁」がよいか悪いかは決まってきます。
花にとってものすごくよい外的要因だとしても、餅にとってもち米の状態で土に埋められ、太陽の光や、優しい言葉をかけられたとしても立派なお餅に成長するということは有りません。
また、チューリップの球根を水につけて、蒸して、ついてと餅と同じ外的要因を与えて、更に心をこめて頑張ったところできれいな花が咲くことは有りません。
比喩ではない自分の場合
種、餅、花というのはもちろん比喩です。これを読めているとしたら人として生まれて日本語もわかる状態です。人の場合は「どんな人になりたいのか」もう一歩進んで「私はこういう人」という部分が決まれば今までの縁という外的要因が適切なのかどうかはっきりとわかってきます。
例えば「私は能楽師」だとした場合に「小さい頃から褒められたことしかない」というご縁が適切な場合もあるでしょうし「悪いことをすると怒られた」とか全般に厳し目のご縁が適切な場合もあるでしょう。
これは、その人の持っている人間性や目指すところの明確さによって変わってきます。迷ったときには厳しく引き戻されることもあるでしょうし、逆に突き放すように試されることもあります。
順縁と逆縁
外的要因の中には、前記のように自分の進むべき方向に強く後押ししてくれる順縁と、試されるような逆縁があります。お寺などでは良いことをしたら良い道に入れるという順縁、悪いことをしたからこそ救われる逆縁という意味でも使われます。
順と逆ということについて、現代は良くも悪くも順縁というものが求められているように感じます。
原因と結果なども、原因があるから結果があるという考え方は時間軸が順にすすむ順縁の一種です。
悪口を言われる→気分が悪くなる
こうした原因によって結果が変わるしかないと決めつけていると日常かなりのストレスがたまります。全部が外的要因に左右されるわけですからよっぽどの徳を備えていなければ思い通りにはならないものです。
それに対して、今というものはこうなると決まってた、もしくは「自分で今の状態を選んだ」という時間軸を逆に捉えてみると今まであったこと全てが今の自分のためであって、順逆ふくめて一つ欠けても今の状態ではいられないという望んだ状態にとって効果的な外的要因しか存在しないという受け入れと感謝が生まれてきます。
こうしたものも逆縁としての一面です。
決まっていたというのも諦めではなく、自分で決めたことという自己責任100%の世界に入ってみるということです。
まとめ
現時点での結論は「自分の人生は自分で決める」ということです。占いや運命学で出てくる適職は表面的な職業ですが、現実社会では表面的な職業よりも、その職業を通してなにをするかという本質的職業を自分で決めることのほうが重要です。飲食店の皿洗いでも、言われたことだけする人と捉えるか店が営業できるように衛生の根本をチェックする人と認識しているかは職業感が全く変わってきます。
「人格」「職業感」という自分の本質的ななりたい姿が明確になれば、いままで起こった出来事や、今いる環境も現時点では適切だということがわかります。現時点ではです。
この現状が嫌な場合は、なりたい姿を明確にして適切なご縁のある場所に移動するのが吉です。
また、自分のコントロールできる範囲を広げる努力も必要なことです。今日どんなに運が悪くても手が動く、水が飲めるなど自分のコントロールできるところはあるものです。
なんでも縁という外的要因のせいにするのではなく、自分でコントロールできる部分を広げるのが本当の開運です。
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