日本書紀 完読会 第4期 13週目
20231029 日本書紀完読会 第4期 13週目感想
160−195
同じことを続けるのは根気がいる。以前はそう思っていたが日課に根気はいらないしゲームが好きな人は今日で何日目などと数えることもなくひたすらやっている。
『日本書紀』を読むこともそんなゲームと同じ位置付けになると特に意気込みとか必要としないものだ。
今週は武内宿禰の活躍が描かれる。あらゆる面倒なことに対処したように描かれるが最後が讒言によるところがなんともあっさりとした信用だ。
ちょうど景行天皇の御代のイチフカヤのように自分にとって都合の良いことをする人物も人を騙すところをみると信用は薄まるのだろう。
また、神功皇后の巻では、『聖書』のように神が強く祭り方を知らせてくる。巫女としての能力を強調しているのだろうか。
魏志倭人伝の記載に触れるところも多い。魏志倭人伝はネットやニュースの情報が入ってくることが多いので間違った先入観ができている。
対比して読んでみると意外にあっさりと問題は解消するものだ。
卑弥呼や邪馬台国を古事記で議論しているのは東京の地図で九州を旅行しようとしているような感じ。
のちに生まれる蝉丸の伝説にもつながるエピソード。事件の起こる土地は時代をこえて繰り返し同じようなことが起こるもの。
この辺りから百済のことがふえてくる。『北斗の拳』で連載当初は東京だったのにだんだんどこの国かわからなくなるような感覚に近い。
応神天皇の記載は神功皇后のエピソードや八幡様として祀られていることを思うと劇的なものを期待してしまうが意外にあっさりしている。
海外情報も多くなってくる。想像するよりも多様な言語に揺れているのだろうと思う。
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森澤勇司(もりさわゆうじ)
能楽師小鼓方
1967年東京都生まれ。
テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。
2000番以上の舞台に出演している。
43歳で脳梗塞で入院、
退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。
復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。
著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』
明治天皇生誕150年奉納能、
映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に
能楽師として出演。
2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される
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