不思議な共通点
宮本武蔵、厩戸王、柳生宗矩、千利休、吉田松陰、伏犧と女媧に共通する大工道具
宮本武蔵は士農工商から「士(兵法)」の道を「工(大工)」に例えて語っています。
今日は『五輪書』に語られている大工の上中下、三段階にしようかと思ったら別の繋がりが先に頭に広がってきてしまいました。
ここで大切な大工道具が「規(き)」と「矩(く)」です。
「規」は、ぶんまわし
規則や規範という単語にも使われているので見る事の多い文字です。
「矩」は、さしがね。漢字では指矩、差矩、差金、曲尺などいろいろな表記があります。
ぶんまわし、さしがね、はピンとこない日本語ですがカタカナ語は馴染みがある言葉です。
「規」→コンパス
「矩」→直角定規
▶︎厩戸王(聖徳太子)は宮大工の始祖
四天王寺の聖徳太子像は曲尺(矩)を手に持っています。
▶︎柳生宗矩
『兵法家伝書』の著者 柳生宗矩の名
「宗(たっとぶ)」「矩(さしがね)」
▶︎千利休
「規、矩、作法守りつくして破るとも離るるとても本を忘るな」
▶︎吉田松蔭の諱
藤原矩方(のりかた)
「矩(さしがね)」「方→正方形」
▶︎伏犧と女媧
『易経』の始祖 伏犧
土から人を作った女媧
人の上半身に蛇の体です。2人が持っているのが規と矩です。
「大将は大工の統領として、天下の「かね(矩)」をわきまへ、其の国の「かね(矩)」を糺し、その家の「かね(矩)」を知る事、統領の道なり。」宮本武蔵『五輪書』より
人それぞれの解釈はあるでしょうが統領(棟梁)の象徴が「矩」というのはさらに深掘りしたいですね。
文化は単体で深める学びもあります。相関関係や相似形に注目するとさらに深掘りできるような気がしてます。
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森澤勇司(もりさわゆうじ)
能楽師小鼓方
1967年東京都生まれ。
テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。
2000番以上の舞台に出演している。
43歳で脳梗塞で入院、
退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。
復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。
著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』
明治天皇生誕150年奉納能、
映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に
能楽師として出演。
2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される
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