本説を求める人、異説を求める人
本日の朝活は『源氏物語』総角、『日本書紀』雄略天皇、『聖書』士師記、clubhouse『日本書紀』、リアル活動は江東区文化センターで能楽体験しました。1歳のおこさまがみんなの真似して正座で挨拶している姿は可愛いですね^^
永く続くものを永く続けるのが好きな人には最適な朝の習慣です。
そこで思い浮かぶのは中心に向かう人と中心からずれていく人の趣味嗜好です。
『源氏物語』総角(あげまき)のタイトルにもなっている催馬楽(さいばら)総角の歌詞は能「翁(おきな)」にも通じる内容です。どちらも現代は格式ばった硬いものというイメージがあります。現代のコンプライアンスに完全アウトな内容です。古語なので大声で歌っていて聴いている人も「伝統っていいですね」というところにブラックな面白さがあります。最近は催馬楽に興味が湧いてきます。
そして『日本書紀』は浦嶋子(うらのしまこ)伝説。
こちらは多くの人にお馴染みの浦島太郎の原典です。
以前、友人にこの話をした時、浦島太郎って女性だったの??といわれました。嶋子は氏子や店子とおなじ住んでいる人のことです。
雄略天皇22年(478年)
原文は短いです。
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二十二年の春正月の己酉の朔に白髪の皇子をもって皇太子とす。
秋、七月に丹波の国の余社(よざ)の郡の管川の人、瑞江、浦嶋子、舟に乗りて釣りす。ついに大亀を得たり。たちまちに女になる。ここに浦嶋子、たけりて婦にす。相したがいて海に入る。蓬莱山に到りて仙衆(ひじり)をめぐる。ことは別巻にあり。
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詳しいことは別巻!!これは『万葉集』『風土記』の中に記載があります。プレアデス星団、ヒアデス星団の子どもも登場する興味深い記載が満載です。都市伝説がかすむくらい原典は面白いですね。
これを上手くディフォルメしているのが『銀河鉄道999』です。
大亀はメーテルのような存在です。
そして『聖書』士師記
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ギデオンが死ぬと、イスラエルの人々はまたもバアルに従って姦淫し、バアル・ベリトを自分たちの神とした。 イスラエルの人々は、周囲のあらゆる敵の手から救い出してくださった彼らの神、主を心に留めなくなった。 彼らはまた、イスラエルのために尽くしてくれたエルバアル、すなわちギデオンのすべての功績にふさわしい誠意を、その一族に示すこともしなかった。士師記 8:33-35
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『聖書』は一神教と語る人が多いですが信仰対象の神は複数登場します。モーセの時代から統率者がいなくなるとすぐに易きにながれる。
こうして並べてみるとより原典に興味をもつ人と、都市伝説的なものにずれていってしまう人がいます。
「えっそっちいっちゃうの??」と一瞬思いますが人の興味は自由です。
特に『聖書』に描かれているイスラエルの民と「日本人目覚めよ」系のひとってものすごく似ている感じがします。
日本の公式記録は『日本書紀』です。こうした公式記録から『古事記』のような一般には読めない秘密めいたものが読めるようになるとそちらに流れていく。そして『古事記』がある程度認知されてくるとこんどは『ほつまつたえ』や『先代旧事本紀』など知る人ぞ知る的なものが「隠された真実」といいはじめる。
どちらがよいではないですが公式記録を知らずに亜種の解釈ばかり都市伝説みたいに詳しいひとはなんとなしにイスラエルの民的に見えてきます。
浦嶋子も大亀が姿を変えた女性についていき異界で何年も過ごします。
現世の規範から外れた世界で過ごして元の生活には戻れなくなってしまう。
信仰や信条、道徳心から離れていくとジワっと上手くいかなくなってくる。
秘密めいたものやチラ見せを真実と思ってしまう人も一定数います。
異界、異教といいう「異」には特殊な魅力があります。嘘とは思っていても信じてしまうような引力もあります。
殻に閉じこもることとは違い、人としての信条を破るチャレンジはしなくていいかもしれません。
異界、異教徒に惹かれてしまった先人のことを読んでそんなことが頭に浮かんできました。
※画像はAIで生成しました。
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