見なくない事、聞きたくない事

見たくない事、聞きたくない事

朝活は『源氏物語』夕霧、『日本書紀』履中天皇、『聖書』ヨシュア記

はっきり言って見たくない、聞きたくないようなお話3連続です。
別々に読んで進み具合も違うのに内容が被ってくるのが不思議です。

『源氏物語』光源氏が次男「薫」が実は自分の子ではないと気づく場面。妻は出家を望み夫 光源氏にはあいたくない。

『聖書』ヨシュア率いる民族が各地を武力制圧していく場面です。

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「五人の王がヨシュアの前に引き出されると、ヨシュアはイスラエルのすべての人々を呼び寄せ、彼と共に戦った兵士の指揮官たちに、「ここに来て彼らの首を踏みつけよ」と命じた。彼らは来て、王たちの首を踏みつけた。 ヨシュアは言った。 「恐れてはならない。おののいてはならない。強く、雄々しくあれ。あなたたちが戦う敵に対して主はこのようになさる。」 ヨシュアはその後、彼らを打ち殺し、五本の木にかけ、夕方までさらしておいた。」
‭‭ヨシュア記‬ ‭10‬:‭24‬-‭26‬ 新共同訳‬
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『日本書紀』はイザホワケ皇子(履中天皇)、仲皇子、ミズハワケ皇子(反正天皇)

こちらも激しい記録です。

イザホワケ天皇は皇后を迎えるため弟、仲皇子を黒媛(くろひめ)に婚礼の日を告げる使いを頼みます。

仲皇子は兄のふりをして黒媛と関係をもってしまいます。
それを知らずに次の日、イザホワケ天皇は黒媛のところにやってきます。

枕元に落ちている鈴を見つけます。
天皇「これは誰の鈴?」
黒媛「昨日あなたが置いて行ったものですよ、なんでそんなこときくんですか??」

これが発覚する事を恐れた仲皇子はイザホワケ天皇が寝ている時に宮に火をつけます。

側近に救い出されたイザホワケ天皇を弟ミズハワケ皇子が訪ねます。

信じられないイザホワケ天皇は信用するための条件を出します。

天皇「もし忠誠心があるなら仲皇子を殺してきてくれ。そうしたら信用する。」

二人の兄のどちらにつくか悩んだミズハワケ皇子は世間の評判と道理か天皇につくことを決意します。そして仲皇子を殺害する作戦を立てます。

仲皇子の側近、サシヒレを買収します。出世を約束してもらったサシヒレは、仲皇子がトイレに入るところを狙って暗殺してしまいます。

その報告を受けたミズハワケ皇子は自分に協力してくれたのは認めるが、自分の主人を裏切るようなものは信用できないとサシヒレを処刑してしまいます。

長男、イザホワケ天皇(履中天皇)のあとミズハワケ皇子は反正天皇として王位を継ぎます。

現代の日本の天皇からすると平和的な印象を持っている人も多いと思います。公式記録『日本書紀』には不都合なことも多数記載されています。

ひとは聞きたい話だけ聞きたいものです。国の歴史、民族の歴史は見たくもない、聞きたくもないことにも向き合っていくことも必要になってきます。

個人でも自分自身を知るためによいことできることに注目することも大切ですが、見たくないこと、人に知られたくないことにも向き合わないと根本的な問題解決にならないことも多いものです。

自分の国の不都合な事を見ないようにするのが愛国心なのか疑問に思うことがあります。

よいこと、不都合なことも過去の教訓にしてこれからをどうするのか考えられるといいですね。

※画像はAIで生成しました。

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森澤勇司(もりさわゆうじ) 能楽師小鼓方 1967年東京都生まれ。 テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。 2000番以上の舞台に出演している。 43歳で脳梗塞で入院、 退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。 復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。 著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』 明治天皇生誕150年奉納能、 映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に 能楽師として出演。 2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される

曲目目次

あ行 か行 さ行 た行 な/は行 ま/や/ら行
(あ)
藍染川

葵上
阿漕
芦刈
安宅
安達原
敦盛
海士
海人
嵐山
蟻通
淡路

(い)
碇潜

生田敦盛
一角仙人
井筒
岩舟

(う)
鵜飼

浮舟
雨月
右近
歌占
善知鳥
采女

梅枝
雲林院
(え)
江口

江野島

烏帽子折
絵馬
(お)
老松

大江山
鸚鵡小町
大社

小塩
姨捨
大原御幸
小原御幸
女郎花
大蛇
(か)
杜若

景清
花月
柏崎
春日龍神
合浦
葛城
鉄輪
兼平
賀茂
通小町
邯鄲
咸陽宮
(き)
菊慈童

木曾

清経
金札
(く)
草薙
国栖

楠露
九世戸
熊坂
鞍馬天狗
車僧
呉服
黒塚

(け)
現在七面

源氏供養
玄象
絃上
月宮殿

(こ)
恋重荷

項羽
皇帝
高野物狂
小鍛治
小督
小袖曽我
胡蝶

(さ)
西行桜
逆矛

桜川
実盛
三笑

(し)
志賀
七騎落
自然居士
石橋
舎利
俊寛
春栄
俊成忠度
鍾馗
昭君
猩々
正尊
白鬚
代主

(す)
須磨源氏
隅田川
住吉詣

(せ)
西王母
誓願寺
善界
是界
是我意
関寺小町
殺生石
接待
蝉丸
禅師曽我
千手

(そ)
草子洗小町
草紙洗
卒都婆小町
(た)
大会
大典
大般若
大仏供養
大瓶猩々
第六天
當麻
高砂
竹雪
忠信
忠度
龍田
谷行
玉鬘
玉葛
玉井
田村

(ち)
竹生島
張良

(つ)
土蜘蛛
土車
経正
経政
鶴亀
(て)
定家
天鼓

(と)
東岸居士
道成寺
唐船
東方朔
東北
道明寺

木賊
知章

朝長
鳥追船
鳥追
(な)
仲光
難波
奈良詣
(に)
錦木
錦戸
(ぬ)

(ね)
寝覚
(の)
野宮
野守

(は)
白楽天
羽衣
半蔀
橋弁慶
芭蕉
鉢木
花筐
班女

(ひ)
飛雲
檜垣
雲雀山
氷室
百万

(ふ)
富士太鼓
二人静

藤戸
船橋
船弁慶
(ほ)
放下僧
放生川
仏原
(ま)
巻絹
枕慈童
枕慈童(カ
松風
松虫
松山鏡
満仲
(み)
三井寺

通盛
水無月祓
身延
三輪
(む)
六浦
室君
(め)
和布刈
(も)
望月
求塚
紅葉狩
盛久
(や)
屋島
八島
山姥
(ゆ)
夕顔
遊行柳
弓八幡
熊野
湯谷
(よ)
夜討曽我
楊貴妃
養老
吉野静
吉野天人
頼政
弱法師

(ら)

羅生門
(り)
龍虎
輪蔵
(ろ)
籠太鼓