米の価格とよい政治
同じ事が繰り返される
朝活は明後日まで『続日本紀』のみ
光仁天皇の時代を読んでます。
今まで能楽に描かれる天皇以外の記録にはほぼ触れる事はありませんでした。
久しぶりに読み終わるのが「ああもう終わっちゃう」と残念な感じがする。
今日読んだ1255年前の米の高騰
ご先祖と話す機会があったら時代が離れていても「最近、米が高くて〜」という話になるかもしれない。
この時代の価値観では米の安定供給→よい政治とはっきりしている。
全てではないにしても、ここ抑えておくポイントがはっきりしているのはいい事です。いいか悪いかがすぐわかる信号のようなものですね。
仁徳天皇は民の竈から煙が上がらないのを見て税金を免除したエピソードが語り継がれている。一見美談のようですが現代からすればかなり高額な税の割合です。
米(食料)の価格が適正なら善政という基準があるとしたら
昨今、気になるのがダイエット関連の広告です。
ダイエットの広告が出ているほど食料は充分?
飢饉の時代には考えられないようなファスティングや断食も流行りです。
飢饉の時代のご先祖に「現代は税金以外にもお金払って断食する人がいるんですよ」と話したらかなりびっくりされるかな^_^
その反面、子ども食堂のようなものもある。
1255年まえは貧しい人と裕福な人には米の価格が変わっていた。
それぞれの時代で何がうまくいって何がうまくいかなかったのか。
何が起こると次にどうなるのか。
先人の遺したものはこれからを選ぶ基準になります。
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光仁天皇 宝亀四年(770)三月十四日
天下の米穀価格が騰貴して人民の飢饉が差し迫ってきた。物をめぐみ与えたがまだ充分に救済できていない。
そこで太政官が審議して次のように上奏した。⭕️米価の安定は昔よりの善政とされ民を養い危急より救うことはこれに勝るものはありません。それで次のように要望いたします。
国の大小に準じて貯えてある正税の米穀を
値が安い時の米価によって貧しい人々に売り与え、得られた代価の物資はすべて国備( 国司の役所)の倉庫に納め秋になってそれらを売って頴稲 ( 穂首刈りの稲)に替えます。
⭕️もちろん国司・郡司、富裕な民にはともに買わせません。
もし違反する者があれば、蔭・贖の特典を論ぜず違勅の罪を科します。
もし民間において値が安い時の米価で私稲を売ること一万東以上になる者があれば有位者・白丁 ( 位階を持たない公民)を問わず位一階を授け五千束ずつ加わるごとにさらに位一階を進めて授けます。
ただし五位以上の官人はこの限りではありません。
天皇はこの上奏を許可した。そこで使者を七道の諸国に遣わしてそれぞれその国の米穀や穎稲を売り出させあわせて飢えている人民に物を恵み与えた。
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※画像はAIで生成しました。
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