明治時代の成功ブーム

明治時代の成功ブーム

今朝、クラブハウスを聞いていたら「成功」という言葉が耳に入ったので本日のテーマにしてみました。

もともとは『老子』の言葉
「功、成り名とげて身退くは、天の道なり」(こうなとげてみしりぞくは、てんのみちなり)

という言葉の一部です。

功績を上げて名を知られたら潔く身を引くのが、天の道(自然の道理)である」という意味です。

いつまでも地位にしがみつかず、引き際をわきまえることの重要性を説く教訓として知られています。

というような事が現在の辞書やインターネットで調べるとパッと出てきます。

何を成し遂げるかは人それぞれですが、野球や相撲を思い浮かべるとピークのいい時期に引退した方が潔さを感じます。

能「六浦(むつうら)」では冷泉為相の歌に詠まれた楓が、もう紅葉しないと言う場面があります。

人の考える植物の成功は歌に読まれることとしたようです。

あまり知られてない意味は平安時代の売官制度です。こちらは読み方が「じょうごう」

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成功(じょうごう)とは、日本の歴史において朝廷の公事・行事及び殿舎の営繕、寺社の堂塔修造費用など本来、朝廷の公費で負担すべきところを、任官希望者を募って任料を納めさせるか、または自己負担でそれぞれの事業の功を成らせて、見返りに官職に叙任するという売官制度の一種である。
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昨今、インスタントにとれる資格も似たようなところがあります。お経の読めない資格だけのお坊さんが増えるような末世感が室町時代にはありました。

同じ漢字でも読み方や意味は違うものですが八百長や権力でスポーツの好成績を勝ち取るようなことも一般から見たら不正ですがそこまでしたい人にとっては必要経費ですね。

明治時代は学校制度もかわり教育を受けられる人、受けられない人の差がまだ激しい時代でした。

明治時代の成功ブームを作った雑誌『成功』の復刻版が出版されてました。

学歴を乗り越えて立身出世したい青年向け。

何か底辺で働くだけでなく社会で活躍したいと思う人が呼んでいる姿が頭に浮かんできます。

現在は成功よりも「成功(じょうごう)」にバイアスがかかっているような、、、

そのうち能楽師もペーパー制度ができるかな??

能はやらない能楽師

野球はしない野球選手

お経を読まないお坊さん

おっと私も実務はしない〇〇してます😃

能楽師としては実務に励んでおります。

生きているうちに「姨捨」を打てるような技術を身につけてたいものです。

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不二書房の広告

雑誌『成功』は、主として中等教育までは進学機会をもちながらも大学や専門学校までは進めなかった青年たちに「自助」と「立志」を説いた。高学歴に頼らない「自助」はどうすれば可能か、閉塞しつつある時代の「志」は何を指すものか。本誌が満載した記事や論説は青年たちのこうした疑問に対して、多様な答えを提供したのであろう。貴重な役割を果たした豊かなリソースが、復刻されて身近なものになる。たいへんうれしく思う。

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森澤勇司(もりさわゆうじ) 能楽師小鼓方 1967年東京都生まれ。 テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。 2000番以上の舞台に出演している。 43歳で脳梗塞で入院、 退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。 復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。 著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』 明治天皇生誕150年奉納能、 映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に 能楽師として出演。 2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される

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曲目目次

あ行 か行 さ行 た行 な/は行 ま/や/ら行
(あ)
藍染川

葵上
阿漕
芦刈
安宅
安達原
敦盛
海士
海人
嵐山
蟻通
淡路

(い)
碇潜

生田敦盛
一角仙人
井筒
岩舟

(う)
鵜飼

浮舟
雨月
右近
歌占
善知鳥
采女

梅枝
雲林院
(え)
江口

江野島

烏帽子折
絵馬
(お)
老松

大江山
鸚鵡小町
大社

小塩
姨捨
大原御幸
小原御幸
女郎花
大蛇
(か)
杜若

景清
花月
柏崎
春日龍神
合浦
葛城
鉄輪
兼平
賀茂
通小町
邯鄲
咸陽宮
(き)
菊慈童

木曾

清経
金札
(く)
草薙
国栖

楠露
九世戸
熊坂
鞍馬天狗
車僧
呉服
黒塚

(け)
現在七面

源氏供養
玄象
絃上
月宮殿

(こ)
恋重荷

項羽
皇帝
高野物狂
小鍛治
小督
小袖曽我
胡蝶

(さ)
西行桜
逆矛

桜川
実盛
三笑

(し)
志賀
七騎落
自然居士
石橋
舎利
俊寛
春栄
俊成忠度
鍾馗
昭君
猩々
正尊
白鬚
代主

(す)
須磨源氏
隅田川
住吉詣

(せ)
西王母
誓願寺
善界
是界
是我意
関寺小町
殺生石
接待
蝉丸
禅師曽我
千手

(そ)
草子洗小町
草紙洗
卒都婆小町
(た)
大会
大典
大般若
大仏供養
大瓶猩々
第六天
當麻
高砂
竹雪
忠信
忠度
龍田
谷行
玉鬘
玉葛
玉井
田村

(ち)
竹生島
張良

(つ)
土蜘蛛
土車
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経政
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(て)
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天鼓

(と)
東岸居士
道成寺
唐船
東方朔
東北
道明寺

木賊
知章

朝長
鳥追船
鳥追
(な)
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難波
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(に)
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錦戸
(ぬ)

(ね)
寝覚
(の)
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野守

(は)
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羽衣
半蔀
橋弁慶
芭蕉
鉢木
花筐
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(ひ)
飛雲
檜垣
雲雀山
氷室
百万

(ふ)
富士太鼓
二人静

藤戸
船橋
船弁慶
(ほ)
放下僧
放生川
仏原
(ま)
巻絹
枕慈童
枕慈童(カ
松風
松虫
松山鏡
満仲
(み)
三井寺

通盛
水無月祓
身延
三輪
(む)
六浦
室君
(め)
和布刈
(も)
望月
求塚
紅葉狩
盛久
(や)
屋島
八島
山姥
(ゆ)
夕顔
遊行柳
弓八幡
熊野
湯谷
(よ)
夜討曽我
楊貴妃
養老
吉野静
吉野天人
頼政
弱法師

(ら)

羅生門
(り)
龍虎
輪蔵
(ろ)
籠太鼓