繰り返される後継者問題

繰り返される後継者問題
朝活は『続日本後紀』仁明天皇、『日本書紀』清寧天皇、『聖書』Genesis
『日本書紀』清寧天皇(480-484)は皇后もなく子もいない。父 雄略天皇の殺害した押磐皇子の二人の皇子が発見される。かくまわれた先で名前を変え下働きをして生きている。この後の天皇不在の時に政務をとっていた飯豊青皇女は地域によっては飯豊天皇として伝承されています。昨今の女帝問題に自分の意見を持ちたい方は必読の箇所です。
その後継者問題から約400年後、仁明天皇の御代には皇太子が辞退したい
仁明天皇が、淳和太上天皇の恒貞親王立太子(のちに大覚寺の開祖)辞退の申し出に対し、次のように奉答した。
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淳和太上天皇は再度、仁明天皇に書を差し出し、次のように述べた。
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淳和太上天皇は再度、仁明天皇に書を差し出し、次のように述べた。 私の心中の思いははっきりしており、皇太子を替えることを申し出ましたものの、御考えを変えていただけず、憂いの気持ちは灼けるようであります。『易経』に「祖先の霊を祀るのは長子が相応しい」、『礼記』に「祭の終了後堂に上り神の残り物を食して祖先を尊ぶのは、後嗣である」とあり、私はこのような古典の文章を学んでおります。まずは態度が立派で慎み深く優れた者が登場して太子の地位につき、学問を積んでいくものです。
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『易経』や『礼記』の考えは日本には深く影響しています。恒貞親王はその後もたびたび皇太子辞退を申し出ていますがスルーされています。
この後は太上天皇と今天皇、側近たちの思惑が交錯しつつも30年くらい承和の変までじわじわと内乱の下地ができていきます。
存続させることが前提にあるからこそ起こる後継者問題。時代時代で普遍的な法則を決めても次の問題までの期間が長すぎる。
後継者問題はその時々に揉めつつ決まっていくものと割り切った方がいいかもしれないですね。
自分の意見を持ちたい方募集中です。
※画像はAIで生成しました。
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