【日本の音】小泉文夫 著


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毎日1分!朝活読書。

vol.295  2011年7月6日配信

『日本の音』

小泉 文夫 著

平凡社

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「日本の音楽を西洋音楽と比較するだけでなく、
ひろいせかいのさまざまな民族音楽の中で
その特徴を調べていきますと、日本音楽は
決して特殊な物でもなければ、また未発達な
ものでもないということがわかってきます。」

本文より

▼「音階か雰囲気か?」

日本のわらべ歌、や民謡を始め雅楽、
能、狂言、などの音階、リズムなどの
学術面から考察された一冊です。

日本では歌舞伎や文楽など
江戸期に発達した文化が日本的と評される反面
一方では寺社の絵画や仏像などエキゾチックなものも
日本文化と言われています。

音楽面でも現代の音楽教育が及ぼしている
平均律による弊害やその変遷、
音階の算出方法など多岐にわたり
音楽の知識が得られる濃いものが詰まっています。

学校やテレビなど平均律の音階で
囲まれている私たちに新しい視点を
与えてくれます。

建築や文学の音楽への影響も
参考になります。

独自な発展を遂げたように見える(聞こえる)
日本の音楽も音階面から見れば、
世界の民族音楽との共通点が多数発見できます。

ぜひ読んでください。
_____
▼編集後記
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
音楽でも別々に聞くと全然違うのに
並べてみると結構似ているというもの
ありますよね。

ギター雑誌にもブルースとわらべ歌の
5音スケールは同じだという記事をよく目にします。

ギターで渋いブルースを弾こうと思ったら
民謡にしか聞こえないとか、、、、

ちょっと前だとクイーンのギタリスト、
ブライアン・メイはジョンガラ・ギター
言われていたのが思い出されます。
確かに津軽三味線に似ている部分が有りました。

世界各地の5音スケールの音構成が
似ているというのは、絶対音感がなくても
この程度の音のインターバルは聞き取れる
という事なんでしょうね。

また音がぶれてきても次の音に被らない
十分な間隔ともいえるかもしれません。

余談ですがいつも似ていると思うのが
「アダージョ」と「ソーラン節」なんです。

学術的根拠ではなく似ていると
感じるだけですが、、、、

同じ手拍子でもイケそうです。

落語や朗読などもメトロノームに合わなくても
話のテンポがいいとかリズムがいいとか
いうことが有りますね。

こんな事を音楽面から考察した本も
見つけてみたいですね。

「音階と雰囲気、似ていると感じるのはどちらですか?」

 

感想いただけると嬉しいです
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森澤勇司(もりさわゆうじ) 能楽師小鼓方 1967年東京都生まれ。 テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。 2000番以上の舞台に出演している。 43歳で脳梗塞で入院、 退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。 復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。 著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』 明治天皇生誕150年奉納能、 映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に 能楽師として出演。 2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される

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曲目目次

あ行 か行 さ行 た行 な/は行 ま/や/ら行
(あ)
藍染川

葵上
阿漕
芦刈
安宅
安達原
敦盛
海士
海人
嵐山
蟻通
淡路

(い)
碇潜

生田敦盛
一角仙人
井筒
岩舟

(う)
鵜飼

浮舟
雨月
右近
歌占
善知鳥
采女

梅枝
雲林院
(え)
江口

江野島

烏帽子折
絵馬
(お)
老松

大江山
鸚鵡小町
大社

小塩
姨捨
大原御幸
小原御幸
女郎花
大蛇
(か)
杜若

景清
花月
柏崎
春日龍神
合浦
葛城
鉄輪
兼平
賀茂
通小町
邯鄲
咸陽宮
(き)
菊慈童

木曾

清経
金札
(く)
草薙
国栖

楠露
九世戸
熊坂
鞍馬天狗
車僧
呉服
黒塚

(け)
現在七面

源氏供養
玄象
絃上
月宮殿

(こ)
恋重荷

項羽
皇帝
高野物狂
小鍛治
小督
小袖曽我
胡蝶

(さ)
西行桜
逆矛

桜川
実盛
三笑

(し)
志賀
七騎落
自然居士
石橋
舎利
俊寛
春栄
俊成忠度
鍾馗
昭君
猩々
正尊
白鬚
代主

(す)
須磨源氏
隅田川
住吉詣

(せ)
西王母
誓願寺
善界
是界
是我意
関寺小町
殺生石
接待
蝉丸
禅師曽我
千手

(そ)
草子洗小町
草紙洗
卒都婆小町
(た)
大会
大典
大般若
大仏供養
大瓶猩々
第六天
當麻
高砂
竹雪
忠信
忠度
龍田
谷行
玉鬘
玉葛
玉井
田村

(ち)
竹生島
張良

(つ)
土蜘蛛
土車
経正
経政
鶴亀
(て)
定家
天鼓

(と)
東岸居士
道成寺
唐船
東方朔
東北
道明寺

木賊
知章

朝長
鳥追船
鳥追
(な)
仲光
難波
奈良詣
(に)
錦木
錦戸
(ぬ)

(ね)
寝覚
(の)
野宮
野守

(は)
白楽天
羽衣
半蔀
橋弁慶
芭蕉
鉢木
花筐
班女

(ひ)
飛雲
檜垣
雲雀山
氷室
百万

(ふ)
富士太鼓
二人静

藤戸
船橋
船弁慶
(ほ)
放下僧
放生川
仏原
(ま)
巻絹
枕慈童
枕慈童(カ
松風
松虫
松山鏡
満仲
(み)
三井寺

通盛
水無月祓
身延
三輪
(む)
六浦
室君
(め)
和布刈
(も)
望月
求塚
紅葉狩
盛久
(や)
屋島
八島
山姥
(ゆ)
夕顔
遊行柳
弓八幡
熊野
湯谷
(よ)
夜討曽我
楊貴妃
養老
吉野静
吉野天人
頼政
弱法師

(ら)

羅生門
(り)
龍虎
輪蔵
(ろ)
籠太鼓