六韜、文韜、第二、盈虚
盈虚は月の満ち欠けのことです。
文王の疑問「天下の栄華盛衰は何が原因なのか、王の賢明と不肖、天運変化の自然の法則なのか??」
目次
太公望の答えは
君主が不肖であれば国家は危うい
君主が聖賢であれば国家も安泰で民も治まる
禍福は君主の賢不肖によるもので天運によるものではない。
過去の見本にすべき賢君はだれか
堯帝を手本にすべき
※能楽の中でも平和の象徴として堯舜のことが語られるものがあります。
堯帝の何を学ぶべきか
①身に金銀や珠玉を飾らず
②錦繍は文綺の有る絹の衣服を着ない
③奇怪珍異なものを一切見ない
④骨董を宝にしない
⑤淫らな風紀を乱す音楽を聞かない
⑥宮殿の垣に白壁を塗らない
⑦棟木、柱など荒削りのまま
⑧茅、茨などの雑草が生い茂っても刈り取らない
質朴節倹の生活をしていた
⑨鹿の革で寒さを防ぎ
⑩粗布の衣服を身に着け
⑪玄米や粟の食事をして
⑫アカザと豆の葉の汁などの粗食で満足する
⑬民間人を徴用するときは、人民の耕作や機織りの時期をはずす
⑭内心の欲望を削り制約する
それでこそ自然の摂理にかなった政治ができた。
⑮正直で法令をまもる官史は出世させる
⑯清廉潔白で民衆を愛するものには禄を増やす
⑰一般庶民でも孝子慈父があれば敬愛する
⑱勤勉なものには慰労する
⑲人間の善悪を区別し、善人の家には旗を立てて表彰していた。
君主自身の心構えとは
①自分の心の平静に保つ
②礼儀正しくする
③法令制度をしっかりする
④よこしまな行い詐欺を禁止する
⑤どんなに憎んでいるものでも功労があれば賞する
⑥愛しているものでも罪があれば罰する
⑦老いて妻のないもの、老いてこの無いもの、幼くして両親のないものは保護する
⑧禍をうけ亡滅しそうな家は援助する
⑨自分自身の衣服は質素に税金を少なくした
その結果
①万民は富み栄え
②生業を楽しみ
③飢えや寒さの不安がなかった。
万民は堯帝をどう思っていたか
日月のように仰ぎ、父母のように親しんだ。
ここまですると
堯帝の世の中はこれを徹底していたので平和だったと太公望は文王に語りました。
結論
時代背景で変わっているものもありますが、自分の利益優先の人が上に立つ場合は権力が必要になります。力で抑えて嫌がっても徴収する。急にやり方を変えるのは不安がつきまとうものです。運がいい、運が悪いということの多くは悪いことをしてもバレなかったとか、臨時収入があったとか自分の利益に基づくものがほとんどです。「いましていることは社会の役に立つのか」この問いを持つことがほんとの運のよさではないかと思います。ご精読ありがとうございました。
最新記事 by 森澤勇司 (全て見る)
- 日本の成り立ちアーカイブ - 2024年6月4日
- 日本書紀 完読会 38週 感想 - 2024年4月21日
- 20240414 日本書紀完読会37週目 - 2024年4月14日
- 日本書紀 完読会 35週目 - 2024年4月14日