【問】稽古の時間がなかなか取れません
【問】稽古の時間がなかなか取れません
年内に一曲仕上げたいと思うのですが、なかなか時間が取れません。効果的なやり方はあるでしょうか
【答】目的を明確にしましょう
年内に一曲仕上げたいとのこと素晴らしい「目標」です。まずはやり方の先に「目的」を明確にすることをおすすめします。「目的」とは「一曲仕上げる」の先にあるものです。人前で発表したいのか、人に教えたいのか、どんな気持ちになりたいのか、など一曲習得するための目的を明確にすることが効率よく学ぶことに通じます。
直接のテクニックにはなりませんが、目的のないことを頑張ってするのは苦痛が伴います。ゴールがわからず長距離走をするようなものです。よほどストイックな人でないと長続きしません。
また「時間がない」というのは感覚的なものです。実際に「1日5分」なのか「1日15分」なのか一曲仕上げるために使える最低量を決めましょう。これも無理して1時間ということはなく最低量を決めるのが長続きの秘訣です。
3分といって1時間してしまっても良いですが、「最低○分」ここを多めにすると続かない傾向があります。延長はその時の気分です。
ノルマでするようなものではないですから時間が多くない場合は「目標」よりも「目的」重視にするほうがおすすめです。
一曲仕上げるという「目標」には期日や計画が必要になります。「目的」は「世界平和を祈る」という大きなものでも一曲できるできないにかかわらず祈れるものです。3分でもできればその日はOKくらいにしていきましょう。
また1曲仕上げるのは大変そうでも「1行」の集合体です。お渡ししている「羽衣」は約300行です。多いようですが同じところはたくさんありますから300種類覚えるものではありません。
1日1行稽古しても300日で一曲稽古できます。プロとして舞台に出るならなかなか大変なこともおおいです。趣味でする楽しんで1行づつ仕上げていくのがおすすめです。「時間が取れない」と呪文のように繰り返しそうになったら「はるがすみ、、」と詞章を1行言うように置き換えると更に効率的です。
時間が少ないと思ったら「目的」を明確にするサインです。
理想の能楽人生を楽しんでいきましょう!
最新記事 by 森澤勇司 (全て見る)
- 日本の成り立ちアーカイブ - 2024年6月4日
- 日本書紀 完読会 38週 感想 - 2024年4月21日
- 20240414 日本書紀完読会37週目 - 2024年4月14日
- 日本書紀 完読会 35週目 - 2024年4月14日