【問】ZOOMでの稽古で気をつけることはありますか
【問】ZOOMでの稽古で気をつけることはありますか
ここのところのZOOMを使うことが多くなりました。稽古も画面越しでどうもひとりでしているような気分になり、今ひとつ気分の盛り上がりがありません。なにか解消法があるでしょうか。
【答】臨場感を持つことです。
新型コロナウイルスの自粛の影響で稽古場もZOOMでのやりとりが多くなりました。結論から言うと臨場感を育てることです。
臨場感を育てるとは、「絵」「メール」「手紙」その他、どんなものでも現実に相手がいるように感じる事です。
舞台の台本にしても、実際に舞台でしているような「臨場感」「リアリティー」を感じる事です。テレビや映画ではこうした臨場感が高まるように効果音や画面の大きさを求めています。遊園地では座っている椅子が振動したり、座席が動いたり臨場感が高い方がホントにその場にいるようなリアリティーを感じるものです。
パソコンの音声は通信状況が悪かったり、ノイズが入ったりで気が散ることもあるかもしれません。しかし楽屋のモニターも極論すればビデオを見ているのと同じです。実際に舞台で演じているものが映し出されているのでリアリティーを感じています。
もし同じ大きさの小さいモニター画面でビデオを見ていたら臨場感はかなり低くなります。このように少し前まで提供する側が臨場感を作りだす世界でした。臨場感は提供側の責任だったといえるかもしれません。
これからは、相手がいても録画でも、学習の時に「臨場感を自ら高める能力」が必要な時代になりました。
こうした画面越しのコミュニケーションが多くなればなるほど、画面の抜こうに生きた人がいるというリアリティーはなくなります。日常的にこの臨場感を育てることは様々な学習がしやすくなるでしょう。
なんでもリアリティーを感じればいいと言うことではありません。必要な事柄に対してです。実際に体験しているように臨場感の高い世界の住人になりましょう。
世阿弥の語る「離見の見」もこうしたリアリティーなくては感じ取れない世界観です。現実に人が前にいれば悩むことの無い事です。この機会に、自分自身で臨場感を高める感覚を育成していきましょう。
理想の能楽生活を楽しんでいきましょう。
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