古事記 10週目 感想
タジマモリの物語も『日本書紀』に比べるとコンパクト。ここで古事記の全文とはなんだろうかと疑問が出る。塙保己一史料館では同氏の膨大な偉業がしっかり残っている。古事記の内容は神話が好きな人や専門に勉強している人であれば話せるようなメモ書き的な箇所が多い。強いて言えば天皇の系譜は学校の試験のように記憶するのは大変かもしれない。現代の大学受験する人はヒダノアレイよりもはるかに膨大なものを記憶しているではないだろうか。
景行天皇の御代。この御代は日本書紀とは違うう表記が多い。これもざっくり天皇と担当者とどちらを記載しているかという観点ならさほど矛盾もない。
全般に古事記の方が物語性が強い。そうおもうと信憑性は薄い。なにしろ絶対に現場にいない人が書いているのである。一種の小説のようなものです。
全体に親子の確執というテーマが一貫している古事記に対して日本書紀には愛を感じる。
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森澤勇司(もりさわゆうじ)
能楽師小鼓方
1967年東京都生まれ。
テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。
2000番以上の舞台に出演している。
43歳で脳梗塞で入院、
退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。
復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。
著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』
明治天皇生誕150年奉納能、
映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に
能楽師として出演。
2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される
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