神の告げ
朝の読書は別々の本を別々の時期から始めて読んでいるのですが、同じような場面が出てくる日がよくあります。
今日は神からのメッセージについて『聖書』は同じフレーズが繰り返されます。
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主はモーセに仰になった。
And the Lord spoke to Moses, saying
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『日本書紀』は崇神天皇7年、神明倭トトビモモソ姫の神がかりした場面があります。国の半分の人が亡くなるような疫病が猛威を奮っています。
神「天皇、何ぞ国の治まらざることを憂ふる。もしよく我を敬い祭らば、必ず当に自平ぎなむ。」
天皇「かく教(のたま)ふは誰の神ぞ」
神「我はこれ倭国の域の内におる神、名を大物主神といふ」
そして伝えられたように神を祀りますが疫病は治りません。
崇神天皇は沐浴をして掃除をし改めて祈ります。
「われ、神を礼ふことなお未だ尽くならずや。何ぞうけたまわぬ事の甚しき。ねがわくはまた夢の裏に教えて神の恩(みうつくしび)をつくし給へ」
この夜、天皇の夢に一人の貴人が現れます。そして大物主神と名乗ります。
神「天皇、またな愁ひましそ。国の治らざるはこれ吾が意ぞ。もし吾が児 大田田根子を持って吾をまつりたまはば、たちまちに平ぎなむ。また海外の国ありて自ずからに帰伏ひなむ」
その通りにして国の疫病は治り、海外の国は傘下に入ることになったという記載があります。
神の告げは夢のメッセージであることも、目の前の出来事であることもいろいろなパターンが描かれます.
現代社会は人が話し合って多数決で決める場合が増えています。公益性のあることを考えている人が集まれば良いでしょうが、私利私欲や自分都合の特定の主力メンバーが力を持つと多数決は全体にとってよくない方向に流れていきます。
また貴重な意見があっても採用しなければ無視と同じです。神のメッセージによって国や共同体が治っていた記載が東洋西洋問わず記録されているのは興味深いことです。
古典作品には夢からメッセージを受け取る場面が数多く出てきます。自分で考えて答えが出ない人は神の告げを素直に実行してみるのは現代でも有効な方法です。
受け取り方には注意が必要ですが、、、どうなったら理想なのか言挙げしておくことは必須です。
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