同じ名前で違う曲

同じだけど違う曲
違うけど同じ曲

頭が混乱するお話シリーズです。

来年1月31日国立能楽堂で「妻戸(つまど)」をはじめて勤めます。

依頼を受けるときに台本と小鼓の手組みがあるか確認します。

「妻戸」は金剛流の能です。宝生流の「来殿(らいでん)」とほぼ同じ内容です。

そして観世流には「雷電(らいでん)」という能があります。そして「妻戸」という謡がありますがこちらは金剛流の「妻戸」とは別の詩章です。

観世流「雷電」
宝生流「来殿」
金剛流「妻戸」

こちら表記が違いますが前半はほぼ同じ台本になってます。

菅原道真が死後、育ての親のお坊さんに弔いのお礼を伝えにやってきます。そして朝廷に雷になって復讐をする予告をします。そのときに呼ばれても行かないように念を押します。お坊さんは度々呼び出しがあれば行くと伝えると道真は激昂し供物のザクロをかみ🔥炎を吐き消えていきます。その炎をお坊さんは印とマントラで消す。

SFXにしたら面白そうな前半です。能はこれを頭の中で映像化し味わいます。

後半
「雷電」は
京都御所に雷になった菅原道真が龍を連れて攻撃にきます。

雷を落とす怨霊を育ての親のお坊さんが祈祷をする。最後に「天満大自在天神」という称号が与えられる物語です。

「来殿」「妻戸」は
菅原道真が貴公子の姿で舞を舞う。全く別な曲に改作されています。

そして謡だけある観世流の「妻戸」は「雷電」の前半と内容は同じですが詞章は全く違う文言になってます。

ややこしいですね。

またまた混乱しそうな催しが、、

横浜能楽堂の舞台創建150年記念
ただいま大規模改修工事中なので横浜能楽堂ではありません。

横浜能楽堂の本舞台は、明治8年(1875)に旧加賀藩主邸に建てられました。その後大正8年に旧高松藩主邸に移築された「染井能舞台」から移築されています。

太宰府天満宮の宮司さんのお話、本物の人間国宝が直接体験できます。

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2025年11月29日
神奈川県 【横浜能楽堂本舞台創建150周年 横浜能楽堂企画公演 「天神さまの芸能」】
14:00~16:10 港南区民文化センター ひまわりの郷

お話「菅原道真と天神信仰」
西高辻信宏(太宰府天満宮 宮司)

落語「質屋庫」
瀧川鯉昇

素浄瑠璃「菅原伝授手習鑑~天拝山の段」
太夫:竹本錣太夫
三味線:竹澤宗助

舞囃子「来殿」
シテ:大坪喜美雄(人間国宝)

笛: 藤田貴寛
小鼓:森澤勇司
大鼓:佃良太郎
太鼓:梶谷英樹

地謡:佐野玄宜
佐野弘宜
渡邊真之介

※西高辻信宏氏の「辻」の字は、正しくは「一点しんにょう」で表記しますが、外字のためすべてのブラウザで表示可能な字体に置き換えて掲載しています。

●4,000円(全席指定)

【チケット発売】
8/25(月)12:00~
【横浜能楽堂LINE友だち先行】8/18(月)12:00~8/21(木)23:59
※WEBのみで受付
※先行発売枚数には限りがあります

■【お問合せ】
OTABISHO 横浜能楽堂 TEL:045-263-3055 (11:00~20:00)
https://yokohama-nohgakudou.org/schedule/

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森澤勇司(もりさわゆうじ) 能楽師小鼓方 1967年東京都生まれ。 テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。 2000番以上の舞台に出演している。 43歳で脳梗塞で入院、 退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。 復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。 著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』 明治天皇生誕150年奉納能、 映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に 能楽師として出演。 2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される

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曲目目次

あ行 か行 さ行 た行 な/は行 ま/や/ら行
(あ)
藍染川

葵上
阿漕
芦刈
安宅
安達原
敦盛
海士
海人
嵐山
蟻通
淡路

(い)
碇潜

生田敦盛
一角仙人
井筒
岩舟

(う)
鵜飼

浮舟
雨月
右近
歌占
善知鳥
采女

梅枝
雲林院
(え)
江口

江野島

烏帽子折
絵馬
(お)
老松

大江山
鸚鵡小町
大社

小塩
姨捨
大原御幸
小原御幸
女郎花
大蛇
(か)
杜若

景清
花月
柏崎
春日龍神
合浦
葛城
鉄輪
兼平
賀茂
通小町
邯鄲
咸陽宮
(き)
菊慈童

木曾

清経
金札
(く)
草薙
国栖

楠露
九世戸
熊坂
鞍馬天狗
車僧
呉服
黒塚

(け)
現在七面

源氏供養
玄象
絃上
月宮殿

(こ)
恋重荷

項羽
皇帝
高野物狂
小鍛治
小督
小袖曽我
胡蝶

(さ)
西行桜
逆矛

桜川
実盛
三笑

(し)
志賀
七騎落
自然居士
石橋
舎利
俊寛
春栄
俊成忠度
鍾馗
昭君
猩々
正尊
白鬚
代主

(す)
須磨源氏
隅田川
住吉詣

(せ)
西王母
誓願寺
善界
是界
是我意
関寺小町
殺生石
接待
蝉丸
禅師曽我
千手

(そ)
草子洗小町
草紙洗
卒都婆小町
(た)
大会
大典
大般若
大仏供養
大瓶猩々
第六天
當麻
高砂
竹雪
忠信
忠度
龍田
谷行
玉鬘
玉葛
玉井
田村

(ち)
竹生島
張良

(つ)
土蜘蛛
土車
経正
経政
鶴亀
(て)
定家
天鼓

(と)
東岸居士
道成寺
唐船
東方朔
東北
道明寺

木賊
知章

朝長
鳥追船
鳥追
(な)
仲光
難波
奈良詣
(に)
錦木
錦戸
(ぬ)

(ね)
寝覚
(の)
野宮
野守

(は)
白楽天
羽衣
半蔀
橋弁慶
芭蕉
鉢木
花筐
班女

(ひ)
飛雲
檜垣
雲雀山
氷室
百万

(ふ)
富士太鼓
二人静

藤戸
船橋
船弁慶
(ほ)
放下僧
放生川
仏原
(ま)
巻絹
枕慈童
枕慈童(カ
松風
松虫
松山鏡
満仲
(み)
三井寺

通盛
水無月祓
身延
三輪
(む)
六浦
室君
(め)
和布刈
(も)
望月
求塚
紅葉狩
盛久
(や)
屋島
八島
山姥
(ゆ)
夕顔
遊行柳
弓八幡
熊野
湯谷
(よ)
夜討曽我
楊貴妃
養老
吉野静
吉野天人
頼政
弱法師

(ら)

羅生門
(り)
龍虎
輪蔵
(ろ)
籠太鼓