癸丑と甲寅

癸丑と甲寅
朝活は『吉田松陰全集』講孟余話、『史記』『聖書』
朝活の記録はグループに日付を投稿して、そのコメント欄に読んだ箇所を記録するようにしています。
今日はこんな感じ。
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12月11日
十月廿二甲寅日
『吉田松陰全集』『史記』『聖書』
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吉田松陰全集も全十二巻の三巻目に入りました。
読み進めていると「癸丑、甲寅墨魯の變、皇國の大體を出して陋夷の小醜に従ふに至るものは何ぞや」という「甲寅」の文字が目に入りました。
昨日の癸丑、今日の甲寅なので今日はこの干支の話題です。
吉田松陰の遺稿はさして難しくない出来事も難解です。その時に生きていたり、中国古典からの引用や造語、比喩的表現が満載です。手紙をもらった人は全部理解できたのか?暗号のようにさえ思える表現が多いです。
癸丑→嘉永六年(1853)の干支
甲寅→嘉永七年/安政元年の干支
墨魯の變
→故事で例えた日米親和条約
陋夷
→いやしい異民族というような造語
小醜
→取るに足らない人物
獄中なのではっきりわからないように書いていたのかもしれませんがいいこと言ってないことはハッキリわかります。
日米親和条約について日本という崇高な国でありながら取るに足らないいやしい異国人に従うことはあり得ないと憤慨しています。
吉田松陰が現在の日本を見たら卒倒して発狂してしまうのではないかというくらいの勢いです。
癸、甲などの十干
丑、寅などの十二支
これは『九星気学』や『四柱推命』など占いの本などで元の意味が記載されていることが多いです。
その1番の元までは辿っていませんが紀元前に書かれた『史記』の中にある「律書」の中にすでに記載があります。
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「丑」に関する『史記』の記述
十二支においては丑にあたる。丑は紐で、陽気が天上にあってくだらず。万物が紐に約されてまだ出ないのをいう。
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「寅」に関する『史記』の記述
箕(箕宿→いて座)は万物の発する根基の意味、それゆえ箕というのである。時では正月にあたり、律では泰族(音階の一種)にあたる。泰族とは万物が族生する意味、それゆえ泰族というのである。
⭕️十二支においては寅にあたり、寅とは螾然として動く事である。さらに南すると尾(さそり座)がある。、、、
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丑が牛になり、寅が虎になってイメージしやすい動物で表現されるのが一般的になってます。
寅は螾(みみず)のことです。何事も思い込みは大切なので自分が盛り上がるものを採用すればよいですね。
この日米親和条約が結ばれた丑、寅の年は南海トラフの大地震が勃発していました。
壇ノ浦の合戦の後も大地震、明治維新付近にも大地震、ある意味、政権交代は天意と見る人がいても不思議ではありません。
『史記』はただの歴史書ではなく、占星術の元になっている天文のこと、音楽の元になっている音階の事、それらがどう繋がっているかなど多岐にわたる情報満載で面白いです。
音律の計算方法はピタゴラスと同じ三分損益法が記載されています。
同じ月を見ても呼び名や思い浮かべることは世界中で違います。それでも月の運行は1種類です。
東洋と西洋、今の日本の違う表現を同じものとして理解したい人には『史記』おすすめです。
※画像は十二律管の蒔絵です。
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