不正官僚のルーツ
不正官僚のルーツ
朝活は『Dhamma-pada』『日本書紀』『聖書』
『日本書紀』で「王」の表記は日本ではほとんどが皇子Sonのこと、海外ではKingのこと。同じ文字でも前提と文脈で意味が変わります。
欽明天皇(在位539-571)の時代、一度滅びた任那復興の事でかなりの紙面が割かれます。
ヤマト朝廷は任那のあった朝鮮半島の日本府を拠点に活動しています。
任那は崇神天皇の諱から名をつけられた場所です。『古事記』には朝鮮半島は日本の神が産んだ場所として記載されています。
この任那を復興させたい天皇の思いが強まる反面10年位上たっても一向に話し合いは進展しません。
複雑な経緯や担当者がつらつらと並べられています。そしてついに汚職官僚を外してくれと上奏があります。
百済の担当者はヤマト朝廷からの使いで天皇からのメッセージを受け取ります。
「日本府とともに協議してよい計画を立て早く任那を復興しなさい。警戒して欺かれないように」
百済の担当者は日本府へ使いを出し計画を進めようとします。
ところが日本(ヤマト)の担当者は「新年が来たから落ち着いてから、、」「祭りの時期が来たから過ぎてから、、」と一向に話が進みません。
さらに使いを出すと身分の低い者を代理によこし協議して計画を立てることができません。
この日本府の役人アケエナシ、サロマツという2人は百済と敵対している新羅派でした。
百済は天皇の意思に従い任那復興を進めようとしている。その日本府の役人は新羅派で協力するように見せて計画が進まないようにしている。
百済の担当者は、天皇と日本府の官僚は百済に対して秘密の計画を立てているのではないかと疑い始めます。
そしてこの日本府の2人を本国に帰し、日本府、任那に改めて任那復興の計画を立て直す事を奏上します。
欽明天皇は「この2人は任那が復興しなければそのうち引退するでしょう。心配の必要はない」と伝えました。
史実は文章だけでは分かりません。
『日本書紀』欽明天皇は大伴金村大連やアケエナシ、サツマロのような不正官僚を咎めることもなく、不思議に寛容に記録されています。
8月になると出所不明の美談化した話が多くなります。よいことも悪いこともあるのが普通です。極端に美化することなく「資料」と「記録」を見ていくことが大事ですね。
国益を損ねる不正官僚は意外にも罰せられることがない、、日本を知るためには自国の正史『日本書紀』はおすすめです。
※画像はAIで生成しました。
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