特攻隊慰霊祭で思ったこと
特攻隊慰霊祭で思ったこと
総理大臣や政治家の靖国神社参拝が話題になったり「英霊に感謝」というのはお約束になっています。主賓の挨拶でも定番ですがやはり違和感はありますね。
徴兵で軍隊に入った一般人の殉死者に対して政府は感謝ではなく謝罪であろうと思います。外国に対してではなく遺族に対してです。
ここを外国に対して劣等感を持つとか自虐とか話をすり替えてしまう講演はなんなんだろう?
ヒーロー化している人がいるのは自由です。すでに「飛ばせた」側の年齢を超えてるわけですから「なぜ飛ばせたのか」そこを突き詰める人が誰もいないことにも不思議な感覚になります。一種タブーのような話題にしてはいけないような空気感があります。
これも感情論になりがちですが感情よりも資料や事実を集める事が大切です。
この慰霊祭の挨拶でも「小説、映画で歴史観を深め、、、、」という事を語っていた地方自治体の長がいました。エンタメで歴史観??
資料を見るなり、記録を確認するなりしてないことにも驚きです。
若者の死というのはエンタメとしても題材になることが多いものです。
特攻隊の前は白虎隊、その前は曽我兄弟
白虎隊にしてもそこだけの美談になりがちです。会津藩が資金調達のために蝦夷地を売却しようとした事はなんとなく美談で誤魔化されてしまう。
特攻隊にしても飛ばせた側の話はほぼでない。
なんだか大切な事に蓋をする美談というのは過去から学ぶ力をなくしてしまうものだと思いました。
※画像は世田谷観音の夢違観音です。
夢違観音
悪い夢(二度と経験したくないこと、思い出したくないことなど)を良い夢に変えてくださる観音様といわれています。法隆寺の仏像を模倣されたものです。
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森澤勇司(もりさわゆうじ)
能楽師小鼓方
1967年東京都生まれ。
テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。
2000番以上の舞台に出演している。
43歳で脳梗塞で入院、
退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。
復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。
著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』
明治天皇生誕150年奉納能、
映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に
能楽師として出演。
2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される
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