つながっている世界


つながっている世界
本日は荒磯GINZA能
「千手」を勤めます。
鄙曲之舞(えいきょくのまい)とい演出です。構成も舞もガラッと変わります。
東大寺を焼討ちした清盛の子 平重衡(しげひら)はとらえられ鎌倉に護送されます。
頼朝は千手をお世話がかりに派遣します。
それを取り次ぐ工藤祐経の一夜の物語です。
この千手のエピソードは鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』にも記載があります。
重衡28歳、千手21歳
千手はこの時の心労なのか体が弱かったのか重衡処刑から3年後24歳で亡くなります。
だいぶ慕われていたようで一緒に働いていた人も多くの人が悲しんだと記載されています。
工藤祐経は富士巻狩で曽我兄弟に暗殺されます。これは能「小袖曽我」「夜討曽我」「調伏曽我」などの作品に
この平重衡が焼討ちした東大寺を再建するため偽の勧進帳を読むのが能「安宅(あたか)」。これは歌舞伎の「勧進帳」や黒澤映画「虎の尾を踏む男達」の作品にもなっています。
清盛の子、平宗盛は能「熊野(ゆや)」に描かれその後、壇ノ浦の戦の総大将になります。鎌倉に護送された時には命乞いが激しく周りの人も呆れてしまったような記載があります。
弟 知盛は能「碇潜(いかりかずき)」に描かれ能「船弁慶」では義経と弁慶に襲いかかる亡霊として描かれてます。
妹 建礼門院徳子 当時30歳は高倉天皇の皇后
安徳天皇の母です。大原の寂光院に後白河法皇が行幸が能「大原御幸」になっています。
この大原御幸の場面が描かれる『平家物語』の最後に出てくる韋提希夫人は能「室君」に
安徳天皇と建礼門院徳子は安産で有名な水天宮の御祭神になっています。
寂光院のある大原は義経が預けられていた鞍馬山の近く。この伝説は能「鞍馬天狗」
また壇ノ浦は九州から見た早鞆の和布刈神社は能「和布刈」
つながりはまだまだ続く能は神話や歴史、伝説から日本の産業や技術が詰め込まれています。
ワインにもにて周辺情報が集まってくると面白さの質が変わってきます。
現地を訪ねる事ができるのもいいところです。
その他
中学の音楽の教科書に掲載されている「敦盛」敦盛の持っていた青葉の笛と伝わる笛は須磨寺で供養されています。
貴船神社の丑の刻詣の「鉄輪(かなわ)」
初めての方にもおすすめです。
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