【世界の出産】松岡悦子 小浜正子 編
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毎日1分!朝活読書。
vol.313 2011年7月24日配信
『世界の出産』
松岡 悦子
小浜 正子 編
勉誠出版
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『現在の出産が医学の視点を中心として
行われているからこそ、医学を外から
眺める視点が必要になる。』
本書より
▼「あなただったらどの方法?」
世界の約30の地域の出産の現場や
妊婦をめぐる環境、風習などを
取材、研究した一冊です。
中国、日本を始めマレーシア、タイ、
ハンガリー、オランダ、フランス、
パラオ、、、その他
各国の出産に関してのタブーや習慣は
驚くほどちがいます。
出産に良いとされる姿勢も立っていたり
うつ伏せだったりと様々です。
ひっぱらずに自力で出てくるまで
待つ地域や帝王切開がステイタスになる
国まで医療の現場も含め紹介されています。
様々な国で習慣が違っても
産後に特別な養生の期間が有ることや
特別な食事などが推奨されることなど
カタチは違っても共通している
習慣もあります。
また「赤ちゃんポスト」の名称で
話題になったシステムも実は
12世紀から原型はあったということも
驚きました。
出産に関係なくこの世に存在している人は
ありえません。
是非読んでください。
_____
▼編集後記
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
今日もありがとうございます。
森澤勇司です。
日本で暮らしていると自国の医療は
世界最先端のように紹介されている
記事をよく見ます。
助産婦、入院設備、産婆、
家族や近所の女性たちのネットワークなど
環境面も含めると
設備や技術だけが最先端なら心が休まり
安心した出産ができるというのは
違うのだということが良くわかります。
また驚いたのは伝統的な産後の休養期間です。
中国では30日、イスラム圏では40日、日本は
21日と日本より男尊女卑傾向が有りそうな
イスラム圏の方が日本の倍の日数を
指定されているのは意外でした。
一夫多妻制でも内縁のようなものは存在せず
必ず結婚するのに対して、日本は報道でも
内縁や同棲など婚姻関係のないものを
言葉の面でも認めてしまっています。
法治国家と言いながら、とりあえず決まりを
作っては見るものの罰則がなければ守る必要がない
という良い例です。
世界の出産事情を見てみると
日本はあまり妊婦や出産後やさしい国では
ないなという印象を持ちました。
農村が多く、家の中でできる作業が
あったということが原因なのかもしれませんが、
産後無理をすると生涯の健康に影響する
というのは世界の共通認識のようです。
「あなただったらどの方法?」
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