日本書紀 完読会 第4期 14週目
外国との交流の話が多くなる。公用語は中国語とはいえどもさまざまな言語が混じり合っていたのだろうと思う。
『百済記』が登場しこの後『魏志倭人伝』など外国の書物の記述も引用されてくる。このあたり『古事記』とは全く性質が違うところ。神話の構図と現実の世の中はリンクしていることを強く感じる部分。神話の世界の主従関係の構図も理想を語れば別のパターンも考えられるかもしれない。しかし神話に描かれた構図が一番バランスが取れているものなのかもしれない。
完全と思われることは無理があり、「もっとこうすれば」と改善点が山盛りに見えることが実はバランスが取れている。新しい発想が得られた。
能「呉服」に描かれる場面が登場したのが嬉しい。ファンタジーだと思えるようなことが現実の可能性があるので能と神話は面白い。
能「自然居士」の唐魯と枯野はやはり共通したイメージが浮かぶ。インターネットや本のような文字場予報よりも耳からの情報が多いと予想される時代。聞き間違えや記載の漢字の取り違え、言葉の訛りなどざっくりした感覚も持っていたい。
兄と弟、どちらが可愛いかという質問がわざわざ挿入されていることが意外にも全体を統括する神の意志のようなものを感じる。人の言葉、神の意志、発信される内容と方向性、ここを一致させるように受け取っていくことが学びになる。
仁徳天皇の御代にはいり纒向もまた出てくる。同じ纒向でも出てくるたびに違う場所。東京といっても広いように、当時の纒向は平地で拠点を置きやすかったのかもしれない。考古学の情報に興味が強くなってきた。
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森澤勇司(もりさわゆうじ)
能楽師小鼓方
1967年東京都生まれ。
テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。
2000番以上の舞台に出演している。
43歳で脳梗塞で入院、
退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。
復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。
著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』
明治天皇生誕150年奉納能、
映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に
能楽師として出演。
2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される
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