日本書紀 完読会 15週目 感想
232−267
死んで三日後に生き返る話は『聖書』、能の「歌占」を連想させる物語。三日というものに国を超えた意味を感じる。ここでも遷都が繰り返されていることをみると大事業であっても今想像するよりもはるかに狭いものだろうと思う。造も質素にしているということだが、毎回御殿が新築されるのは負担が大きいものだと思う。また時系列が前後してくるのと名称が改名後、命名後の名前で話が進むのは『日本書紀』特有のわかりにくさ。なれれば日常の会話も許容度が高くなる。
「高き屋に、、」の逸話が語られる。この話を思い出すたびに、現代の竈の煙はなんだろうと思う。個人的には「ダイエット広告」が竈の煙だと思う。これ以上充分食べられているという証明があるだろうか。
夢による人柱もまだ行われているし殉死もある。慈悲深い代表のような御代と語られるが今の感覚でいえばよい面だけではない。
この頃も田が作られている。今までは農業は自然で良いものという印象を持っていた。今は過度な田の開発は元祖環境破壊だと思うようになってきた。これだけ平地を作っているのだから古墳に盛られるくらいの土は出てくるだろう。いっしゅ古墳の大きさが、どれだけ凸凹なところを平らにしたのかの目安になるように思えてくる。まさに平定とはこの意味も含まれているような気がしてくる。
今週はシェアかいができてよかった。
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森澤勇司(もりさわゆうじ)
能楽師小鼓方
1967年東京都生まれ。
テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。
2000番以上の舞台に出演している。
43歳で脳梗塞で入院、
退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。
復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。
著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』
明治天皇生誕150年奉納能、
映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に
能楽師として出演。
2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される
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