古事記 完読会 9週目 感想
9①将軍の派遣
②初国知らしし天皇
◆垂仁天皇
③后妃と皇子女
④沙本毗古の反逆
⑤本牟智和気御子
⑥丹波の四女王
『古事記』は『日本書紀』に比べて歌が多い。聖書を読んでいて歌の部分の旋律を思い浮かべることがある。『古事記』の歌は民謡のような物だろうか。全体に表現が簡素。日本書紀を読んでいればわかることも古事記だけ読むと不明な部分も多い。その反面、系譜が細かかったり聖書に通じるものを強く感じる。
沙本毗古の件も日本書紀よりも細かい。この部分はイザナミ命が黄泉の国に行ってしまう話とテンプレートの共通点を感じる。このあとの本牟智和気御子はスサノウ神に通じるところがあり。またその後の丹波四女王はイワナガヒメの神話と通じるところがある。
このあたりから見ると垂仁天皇からこの御代が始まっている暗示のようにも感じられる。どこがはじめかということは神代の冒頭にもはっきり示されているわけではないから感覚的に受け取っておいた方が良いのだろう。
日本神話は天皇家にまつわる物なので聖書のように映画化されることがない。この辺りが自由に研究されているようで深まると制約が出てくるところかもしれない
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森澤勇司(もりさわゆうじ)
能楽師小鼓方
1967年東京都生まれ。
テンプル大学在学中に見たこともない能楽界に入門し32歳で独立。
2000番以上の舞台に出演している。
43歳で脳梗塞で入院、
退院後、うつ状態克服のため心理学、脳科学を学ぶ。
復帰後は古典的な能楽公演を中心に活動している。
著書『ビジネス番「風姿花伝」の教え』
明治天皇生誕150年奉納能、
映画「失楽園」、大河ドラマ「秀吉」に
能楽師として出演。
2014年 重要無形文化財能楽保持者に選出される
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