1380年前の氏姓問題
朝活は『法華経』信解品、『日本書紀』孝徳天皇、『聖書』詩篇
昨今、中国や韓国のショートドラマの広告がよく表示されます。
信解品はそんなショートドラマのネタ元のような物語です。
離れ離れになったお金持ちの父と物乞いの息子。
父親は実の息子だと気づいていますが息子はどんなに親切にされても素直に受け入れることができません。
朝活で読む箇所はなぜかテーマが重なることが多い。
『日本書紀』は父と子を含む家族のことについての記述でした。
大化2年(646)秋八月
大化の改新の後、国の政治を安定させようという詔の中にお困りごとが語られます。
職業や住む場所により、親子、兄弟の氏がバラバラで訴訟や手続きが煩雑すぎる。
かなりざっくりしていますが、品部は廃止して国民は全て朝廷所属に変えましょうという内容です。
現代でも家族や親子でみんなバラバラで苗字が違う事はよくあります。
野球のチームで各自好きなユニフォームという事はないです。一族バラバラな氏を名乗るというのはかなり分かりにくいし手続きが煩雑になる事は1380年前にすでに問題になっています。
明治に姓(かばね)も廃止されていますから現代で言えばなんの「氏」を名乗るかという問題が「別姓」と言い換えられているのも不思議な感じがします。
氏がバラバラなら氏神も意味がなくなりますから神社の存在意義にも関わってくる問題です。
表面的な議論よりも戸籍制度がどうやって現在の仕組みになったのか変遷を知っていると自分の考えがブレなくなります。
特に反対意見をぶつける人ほど歴史的資料は読み込んでおく必要がありますね。
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臣、連、伴造、国造、その品部を分かちて、彼の名名に別く。また其の民と品部とを以て交じりて国県にはべらしむ。
⭕️遂に父子姓をかえ、兄弟、宗異に夫婦、かわるがわる互いに名ことならしむ。
一家、五つに分かれ六つに割く。これによりて争い競ふ訟、国に盈ち朝にみてり。
終に治まれることを見ずして相乱るること弥盛なり。
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昨日、clubhouseの『日本書紀』の時間にお酒を酌み交わす時の言葉「幾久(いくひさ)」が話題になりました。
明治から流行った「弥栄」とかが一部で流行ってます。特によい意味の言葉ではなく悪いことにも使います。また単独で弥栄というのは「あけおめ」と言っているような感じでしょうか。
「相乱るること弥盛(いよいよさかりなり)なり。」
明治に流行ったものが伝統と信じられていたりウケウリストが広めていたりします。
自分の意見として左でも右でもいいですがウケウリストは日和見菌のようです。
神道系のお話と記録はだいぶ違うことがあるので要注意です。
※画像はAIで生成しました。
てんてこ舞いの役所のイメージです。
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